気になる日本株銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。
本日は、商船三井(9104)について分析していきます。
以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。
1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
-長期チャート
-短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ
1. 商船三井(9104)とは?
株式会社商船三井は、東京都港区虎ノ門に本店を置く、日本の大手海運会社です。
世界各国にて海上貨物輸送・倉庫管理・貨物取扱いを行っています。
主に、コンテナ船・各種専用船・油送船・フェリー内航船を運営しています。
輸送貨物には、石炭、鉄鉱石、穀物、木材、アルミナ、セメント、ボーキサイト、ニッケル、チップ、自動車、紙製品、化学製品、原油、精製油、LPG(液体石油ガス)などがあります。
略称はMOL(エム・オー・エル)です。
東証プライム上場。
日経平均株価の構成銘柄の一つ。
そんな商船三井(9104)の現在の社員数は8,547人です。
2. 商船三井(9104)の時価総額は?
商船三井(9104)の時価総額は 1.64兆円です。(2024年時点)
時価総額ランクで言うと、AAランクです。
3. 商船三井(9104)の株価とPERと配当利回りは?
次に商船三井(9104)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。
株価:4,525円(2024年4月時点)
商船三井(9104)の株価は、4,525円です。
100株単位で売買できるので、約45万円から投資をすることができます。
うーん、一つの銘柄に40万円超えはちょっと高いですね。
PER:6.97倍(2024年4月時点)
次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。
商船三井(9104)の場合、PERは6.97倍です。
良いですね。
10倍以下なので割安です。
配当利回り:4.42%(2024年4月時点)
続いて、配当利回りです。
商船三井(9104)の場合、100株投資をしてもらえる配当は毎年20,000円です。
配当利回りを計算すると、4.42%。
なかなかの高配当銘柄ですね。
配当金の権利確定日は、毎年3月末日と9月末日です。
なお、商船三井(9104)の場合、株主優待として、にっぽん丸クルーズ優待券などがもらえます。
商船三井(9104)の株主優待については、↓にまとめていますので、併せて御覧下さい。
4. 商船三井(9104)の株価チャート
次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。
こちらには、長期の月足チャートを示しました。
2007年に大きく上昇し、その後大きく下落しています(いわゆる打ち上げ花火のような形です)。
上場来最高値は2007年の6,800円です。
そこから考えると、直近の安値が2020年3月につけた495円なので、株価が10年ちょっとで10分の1以下になってしまったことになります。
なかなかの株価変動ですね。
容易にエントリーすると痛い目を見そうです。
ただ、直近は再び上昇しています。
それもこの3年間で株価は10倍弱となっているわけなので、本当に株価の動きが激しい銘柄ですね。
次に短期のチャートです。
こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。
2024年2月まではしっかりと右肩上がりで上昇していたのですが、その後はやや株価を下げてしまっています。
5. 商船三井(9104)の売上高
では、売上高を見ていきましょう。
こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。
うーん、右肩上がりではありませんね。
かなり年によってばらつきがあります。
ただ、さすが三大海運の一角、直近の売上高は1.5兆円を超えています。
ちなみに、商船三井(9104)の決算月は3月です。
6. 商船三井(9104)の一株配当
続いて、配当の推移について見てみましょう。
こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。
配当もすごいですね。
年によるばらつきが大きいです。
2022年度の配当はすごかったのですが、2023年度は3分の1の額になってしまいました。
今後も確実にこの高配当が続くわけではなさそうですね。
7. 商船三井(9104)のEPS(1株あたりの利益)
次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。
では、見ていきましょう。
こちらはガチャガチャしていますね。
マイナスの年度もあります。
よくありません。
8. 商船三井(9104)のBPS(1株あたりの純資産)
次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。
また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。
では、そんなBPSを見てみましょう。
2020年度までは横ばいでしたが、その後の上昇がすごいですね。
ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、22.3%です。
つまり、年間22.3%ずつこの会社は成長しているということを表しています。
すごい勢いです。
9. 商船三井(9104)のROE(自己資本利益率)
最後にROEです。
ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。
それでは商船三井(9104)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。
直近のROEは41.4%です。
すごいですね。
圧倒的なROEです。
ただこの圧倒的な高ROEの背景には、ロシア・ウクライナ情勢などにより、運賃市況が高止まりしていた背景があります。
こちらには、海運運賃の推移のチャートを示しました。(出処:日本郵船ホームページ)
これを見ると明らかなように、現在の運賃市況はロシアによるウクライナ侵攻以前の状況に戻っています。
そう考えると、今後現在と同じようなEPSやROEの伸びが期待できないことが分かると思います。
10. 商船三井(9104)の今後をまとめると
日本三大海運の一角、商船三井はたしかに大企業なのですが、数字は決してよくないです。
直近の業績は驚くほど良く、配当利回りもかなり良かったのですが、これは棚ぼた的な一過性なものだということを忘れてはいけません。
株価の動きもかなり激しいですし、正直こういった銘柄は長期投資には向きません。
気になる方は、IRなどチェックしてみて下さい。