日本株分析

アイシン(7259)の株価を分析した

気になる日本株銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。

本日は、アイシン(7259)について分析していきます。

以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。

1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
  -長期チャート
  -短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ

1. アイシン(7259)とは?

株式会社アイシンは日本の自動車部品、エネルギー・住生活関連製品の大手メーカーです。

2021年にアイシン精機株式会社が子会社であるアイシン・エィ・ダブリュ株式会社を吸収合併し、現商号に変更しました。

トヨタ系の大手自動車部品メーカーであり、トヨタグループ向けの比率は約3分の2となっています。
1949年にトヨタなどの出資で設立しました。
生産品目は駆動系からエンジン周り、シャシー・ボディ関連からカーナビまでと幅広く、特に58%出資の子会社アイシン・エイ・ダブリュ(AW)の収益貢献度が突出しています。

このアイシン・エィ・ダブリュ(AW)は、自動変速機の専業では世界首位となっています。
また、カーナビも国内首位です。

なお、アイシンという社名は合併前の「愛知工業」と「新川工業」のそれぞれの漢字での頭文字を抜き取ったものに由来しています。

そんなアイシン(7259)の現在の社員数は117,177人です。

2. アイシン(7259)の時価総額は?

アイシン(7259)の時価総額は 1.55兆円です。(2023年時点)

時価総額ランクで言うと、AAランクです。

3. アイシン(7259)の株価とPERと配当利回りは?

次にアイシン(7259)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。

株価:5,756円(2023年9月時点)

アイシン(7259)の株価は、5,756円です。
100株単位で売買できるので、約58万円から投資をすることができます。

うーん、高いですねー。
単元株が100株となり、最近5万円以下で購入できる日本株も増えてきたので決してお手頃とは言えません。

PER:12.4倍(2023年9月時点)

次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。

アイシン(7259)の場合、PERは12.4倍です。

15倍以下なので、適正水準と言えます。

配当利回り:2.95%(2023年9月時点)

続いて、配当利回りです。
アイシン(7259)の場合、100株投資をしてもらえる配当は毎年17,000円です。
配当利回りを計算すると、2.95%。

高配当とまでは言えませんが、なかなか良いですね。

配当金の権利確定日は、毎年3月末日と9月末日です。

なお、アイシン(7259)の場合、株主優待はありません。

4. アイシン(7259)の株価チャート

次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。

アイシン(7259) 月足チャート

こちらには、長期の月足チャートを示しました。

長期で見ると上昇トレンドです。
2008年のリーマンショックには大きく下げていますが、その後復活を遂げ、リーマン前の高値を更新し、一時6,000円を超えました。

現在は、再びこの2018年の高値を目指す動きとなっています。

次に短期のチャートです。

アイシン(7259) 日足チャート

こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。

2023年に入ってからは上昇傾向です。
特に直近の伸びはすごいですね。

この急激な株価の伸びは、2023年9月14日に発表した中期経営計画の内容が投資家に好感されたことが原因と考えられます。

この中期経営計画では、バッテリー式電気自動車(BEV)など成長領域への事業シフトの一環として、部品点数の大幅な削減につながる新技術「ギガキャスト」を導入することを明らかにしました。

ギガキャストとは、自動車の車体部品をアルミニウム合金で一体成型する鋳造技術のこと。これまで複数のパーツを組み合わせて作っていた車体部品を、大型の鋳造設備を使って最初から一つの巨大な部品として製造するため、工程数が削減され、生産性が上がることになる。アルミ製のため、EVの燃費向上に欠かせない車体の軽量化にもつながる。(出処:みんかぶ)

ギガキャストはテスラがいち早く導入したことで知られていますが、トヨタ自動車もこの技術を導入した量産EVを市場に投入する方針を示しています。
アイシンは今回、「電池骨格・ギガキャスト」の戦略として、2030年度に売上高を2000億円に伸ばす目標を掲げました。

これがきっかけで、幅広い投資家からの資金流入があったようです。

5. アイシン(7259)の売上高

では、売上高を見ていきましょう。

こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。

2019年度、2020年度はコロナの影響もあってか下げましたが、直近はコロナ前よりも高い水準となっています。

ちなみに、アイシン(7259)の決算月は3月です。

6. アイシン(7259)の一株配当

続いて、配当の推移について見てみましょう。

こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。

配当もコロナ禍ではやや下げましたが、直近はコロナ前の水準を上回っています。

7. アイシン(7259)のEPS(1株あたりの利益)

次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。

では、見ていきましょう。

うーん、あまり良くないですね。
凸凹です。

8. アイシン(7259)のBPS(1株あたりの純資産)

次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。

また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。

では、そんなBPSを見てみましょう。

BPSは良いですね。
そこそこ堅調です。

ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、6.61%です。
つまり、年間6.61%ずつこの会社は成長しているということを表しています。

9. アイシン(7259)のROE(自己資本利益率)

最後にROEです。

ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。

それではアイシン(7259)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。

直近のROEは2.15%です。

合格ラインを超えられていません。
ただ、過去には合格ラインを超えていた年もあったのに、今後に期待したいですね。

特に、直近は上でもご紹介したギガキャスト生産の準備もあり、そういった構造改革費用が収益を圧迫しているようです。
今後、ギガキャスト事業が軌道に乗れば、ROEの改善も見込めるのではないでしょうか。

10. アイシン(7259)の今後をまとめると

配当も高いですし、PERも各数字の伸びも悪くはありませんでした。
自動車部品メーカーとして世界で確固たる地位を確立していますし、それに、今後ギガキャストによる売上、収益の改善が見込めるとすると、長期投資の観点から見ても魅力的です。
ただ、直近の株価を見ると、そういった期待感はすでに織り込まれている状態であることには注意しなくてはなりません。

他にキラリと光るものは感じられなかったので、個人的に投資をしたいと思える銘柄ではありませんでした。

気になる方は、IRなどチェックしてみて下さい。