日本株分析

「ライバル企業を買収?」ブラザー工業(6448)の今後の株価を分析した

気になる日本株銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。

本日は、ブラザー工業(6448)について分析していきます。

以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。

1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
  -長期チャート
  -短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ

1. ブラザー工業(6448)とは?

ブラザー工業株式会社は、愛知県名古屋市瑞穂区に本社を置く日本の大手電機メーカーです。

主にプリンター(複合機)、ファクシミリ、ミシンなどを製造しています。

社名は、安井兼吉が創業した「安井ミシン商会」を安井正義ら息子兄弟が継承した際に商号を変更した「安井ミシン兄弟商会」に由来し、この兄弟の英語であるBrotherを社名に採用しています。

売上の90%近く(連結では75%)が日本国外であり、日本国内よりも北米やヨーロッパでブランド力が高いのが特徴。
特にSOHO向けの複合機、ファックスにおいては北米でトップシェアを占めています。

日本でブランドイメージの強いミシンについては、家庭用・工業用ともに世界トップクラスのシェア。
ただし工業用については日本でのブラザー最大のライバルメーカーであるJUKIが世界でのシェア1位であるものの、日本での家庭用ミシンの市場が急激に縮小し、他のライバルミシンメーカーが軒並み凋落する中で、工業用ミシン最大のライバルであるJUKI(チップマウンターに進出して多角化)、家庭用最大のライバルであるジャノメ(産業用ロボットに進出して多角化)の日本3大大手ミシン会社ともに、多角化に成功したことが本業の堅持にもつながったといいます。

東証プライム・名証プレミア上場企業。

そんなブラザー工業(6448)の現在の社員数は38,741人です。

2. ブラザー工業(6448)の時価総額は?

ブラザー工業(6448)の時価総額は 7,154億円です。(2024年時点)

時価総額ランクで言うと、Aランクです。

3. ブラザー工業(6448)の株価とPERと配当利回りは?

次にブラザー工業(6448)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。

株価:2,799円(2024年3月時点)

ブラザー工業(6448)の株価は、2,799円です。
100株単位で売買できるので、約28万円から投資をすることができます。

うーん、少し高いですね。
ただ、日本株の中ではこれは一般的な価格です。

PER:14.3倍(2024年3月時点)

次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。

ブラザー工業(6448)の場合、PERは14.3倍です。

15倍以下なので、適正水準ですね。

配当利回り:2.43%(2024年3月時点)

続いて、配当利回りです。
ブラザー工業(6448)の場合、100株投資をしてもらえる配当は6,800円です。
配当利回りを計算すると、2.43%。

高配当とまでは言えませんが、配当はある方です。

配当金の権利確定日は、毎年3月末日と9月末日です。

なお、ブラザー工業(6448)の場合、株主優待はありません。

4. ブラザー工業(6448)の株価チャート

次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。

ブラザー工業(6448) 月足チャート

こちらには、長期の月足チャートを示しました。

いいですね。
しっかりと長期で右肩上がりのチャートとなっています。

上場来高値は2017年11月につけた3,135円。
直近はここに届きそうな動きとなっていますね。

次に短期のチャートです。

ブラザー工業(6448) 日足チャート

こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。

短期で見ても右肩上がりです。
いいですね。

5. ブラザー工業(6448)の売上高

では、売上高を見ていきましょう。

こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。

2019年度と2020年度にはやや落ち込みましたが、その後はしっかりと伸ばせていますね。
直近は売上高は8,000億円を超えました。

ちなみに、ブラザー工業(6448)の決算月は3月です。

6. ブラザー工業(6448)の一株配当

続いて、配当の推移について見てみましょう。

こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。

良いですね。
配当は右肩上がりで増えています。

7. ブラザー工業(6448)のEPS(1株あたりの利益)

次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。

では、見ていきましょう。

うーん、デコボコですね。
理想とする右肩上がりではありません。
よくないですね。

8. ブラザー工業(6448)のBPS(1株あたりの純資産)

次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。

また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。

では、そんなBPSを見てみましょう。

BPSはいいですね。
しっかりと右肩上がりで伸ばせています。

ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、9.84%です。
つまり、年間9.84%ずつこの会社は成長しているということを表しています。

9. ブラザー工業(6448)のROE(自己資本利益率)

最後にROEです。

ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。

それではブラザー工業(6448)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。

直近のROEは、6.55%です。

合格ラインを超えられていません。
ただ、過去を見ると、比較的高い数字が並んでいます。

今後に期待ですね。

ちなみに、流動比率は1.55倍です。
こちらは1倍を上回っているので問題ありません。

10. ブラザー工業(6448)の今後をまとめると

うーん、難しいですね。
悪くはないのですが、これといって、光る要素がなかったのも事実です。

ただ、直近、同業のローランド・ディー・ジーへの株式公開買い付けを始める計画を公表したとの報道が出ています。
(出処:読売新聞)

事前の同意を得ていないことから、ローランドDG側は反発しているようですが、これが成功すれば、ブラザー工業にとっては、さらに会社を成長させることになると思います。
そうなると、少し面白いかもしれないですね。

今後もしっかりとウォッチしていきたいと思います。

気になる方は四季報なども併せてチェックしてみて下さい。