日本株分析

出光興産(5019)の株価を分析した

気になる日本株銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。

本日は、出光興産(5019)について分析していきます。

以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。

1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
  -長期チャート
  -短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ

1. 出光興産(5019)とは?

出光興産株式会社は、石油および石油製品の輸入、精製、供給などを手がけている会社です。
石油化学製品などの製造・販売も行っています。
またEV用次世代電池の全固体電池の主要材料となる固体電解質の研究開発にも力を入れ数多くの特許を保有しています。

石油の元売り2位。

2019年4月1日に、昭和シェル石油を経営統合により完全子会社化しています。

そんな出光興産(5019)の現在の社員数は14,209人です。

2. 出光興産(5019)の時価総額は?

出光興産(5019)の時価総額は 1.16兆円です。(2023年時点)

時価総額ランクで言うと、AAランクです。

3. 出光興産(5019)の株価とPERと配当利回りは?

次に出光興産(5019)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。

株価:4,111円(2023年11月時点)

出光興産(5019)の株価は、4,111円です。
100株単位で売買できるので、約41万円から投資をすることができます。

うーん、一つの銘柄に40万円は高いですね。

PER:6.56倍(2023年11月時点)

次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。

出光興産(5019)の場合、PERは6.56倍です。

10倍以下なのでかなり割安ですね。

配当利回り:3.89%(2023年11月時点)

続いて、配当利回りです。
出光興産(5019)の場合、100株投資をしてもらえる配当は毎年16,000円です。
配当利回りを計算すると、3.89%。

高配当ですね。

配当金の権利確定日は、毎年3月末日と9月末日です。

なお、出光興産(5019)の場合、株主優待はありません。

4. 出光興産(5019)の株価チャート

次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。

出光興産(5019) 月足チャート

こちらには、長期の月足チャートを示しました。

2010年代後半に大きく伸び6,000円にタッチしましたが、その後大きく下げ半値近くまで落ち込みました。
直近はやや上向いてきたかなという感じです。

次に短期のチャートです。

出光興産(5019) 日足チャート

こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。

2023年9月まではあまり方向感の無い動きとなっていたのですが、直近はかなり大きな上昇となっています。

これは11月14日に発表された2023年度第2四半期の決算で、純利益を上方修正したのに加えて、7500万株(自己株を除く株式総数の5.3%相当)・350億円を上限とする自社株買いと、2023年12月31日を基準日として、1対5の株式分割を実施することを発表したことが好感された結果のようです。

さらに増配も発表しているので、株主還元のフルメニューという感じですね。
これは株価が急騰するのも頷けます。

5. 出光興産(5019)の売上高

では、売上高を見ていきましょう。

こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。

良いですね。
右肩上がりで増えています。

特に、この7年間で売上高を2.5倍に増やせていることは目を見張るものがありますね。

ちなみに、出光興産(5019)の決算月は3月です。

6. 出光興産(5019)の一株配当

続いて、配当の推移について見てみましょう。

こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。

配当は引いて見ると右肩上がりで増えていますが、直近はデコボコしています。
ただ、2021年度は創業110周年を踏まえた記念配当が50円分上乗せされていたようです。

7. 出光興産(5019)のEPS(1株あたりの利益)

次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。

では、見ていきましょう。

コロナの影響で2019年度と2020年度は落ち込みましたが、直近はしっかりと回復し、コロナ前の水準を上回っています。
これは、コロナの行動制限緩和により、燃料需要が回復したことに加えて、燃料価格の上昇と、為替の影響がダブルで効いたことが大きな要因と言えそうです。

8. 出光興産(5019)のBPS(1株あたりの純資産)

次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。

また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。

では、そんなBPSを見てみましょう。

BPSは比較的堅調ですね。

ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、7.11%です。
つまり、年間7.11%ずつこの会社は成長しているということを表しています。

9. 出光興産(5019)のROE(自己資本利益率)

最後にROEです。

ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。

それでは出光興産(5019)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。

直近のROEは、15.7%です。
良いですね。
しっかりと合格ラインの10%を超えています。

過去もコロナ禍を除くと、高い水準となっています。

10. 出光興産(5019)の今後をまとめると

いいですね。
低PER、高配当。

それに、各数字の伸びも良いです。

また、実は出光興産は、今自動車業界で特に注目されている全固体リチウムイオン二次電池の開発を行っています。
現在は、千葉県に2つのプラントを有し、開発とサンプルの生産を行っている段階のようですが、中期経営計画資によると、2030年までに事業化する計画で進めているようです。
そういった点を含めても、今後も伸びが期待できる企業と言えそうです。

僕自身、かなり気になっている銘柄です。

直近は株価がかなり上がってきてしまいましたが、何かの影響で下がるようなことがあれば検討したいと思います。

気になる方はIRなどをチェックしてみて下さい。