気になる日本株銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。
本日は、オムロン(6645)について分析していきます。
以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。
1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
-長期チャート
-短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ
1. オムロン(6645)とは?
オムロン株式会社は、日本の京都府京都市に本社を置く大手電気機器メーカーです。
創業者は立石一真。
1933年に「立石電機製作所」を創業し、レントゲン撮影用タイマの製造を開始しました。
センシング&コントロール技術を核とした産業向け制御機器やシステム、電子部品のほか、ヘルスケア製品等を展開する「オムロングループ」の中核企業の役割を担っています。
制御機器・ファクトリーオートメーション(FA)システム事業、電子部品事業、車載電装部品事業、社会システム事業、健康医療機器・サービス事業の主要5事業を、一部分社化を含め、カンパニー制で展開しています。
世界初の無接点近接スイッチを開発するなど産業用オートメーション機器に強みを持ちます。
ただ、一般消費者には健康医療機器で有名だと思います。
家庭用電子血圧計は世界トップシェアを誇っています。
また、自動改札機、ATM(現金自動支払機)の開発のほか、近年では、液晶テレビのバックライトが知られます。
元々の立石電機株式会社時代に本社を置いていた京都市右京区花園の通称「御室」(おむろ)から現在の社名オムロンとなったそうです。
世界7極に地域統括本社を設置(日本、アメリカ、オランダ、中国、シンガポール、インド、ブラジル)。中国を中心とした海外へのビジネス展開に積極的で、既に連結での海外売上比率は5割を超えています。
そんなオムロン(6645)の現在の社員数は28,254人です。
2. オムロン(6645)の時価総額は?
オムロン(6645)の時価総額は 1.03兆円です。(2024年時点)
時価総額ランクで言うと、AAランクです。
3. オムロン(6645)の株価とPERと配当利回りは?
次にオムロン(6645)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。
株価:5,250円(2024年5月時点)
オムロン(6645)の株価は、5,250円です。
100株単位で売買できるので、約53万円から投資をすることができます。
うーん、高いですね。
資産が100万円の人だったら半分以上がオムロンの株となってしまいます。
PER:121.6倍(2024年5月時点)
次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。
オムロン(6645)の場合、PERは121.6倍です。
100倍を超えています!
かなり割高ですね。
配当利回り:1.98%(2024年5月時点)
続いて、配当利回りです。
オムロン(6645)の場合、100株投資をしてもらえる配当は毎年10,400円です。
配当利回りを計算すると、1.98%。
配当利回りは、日本株の中では普通です。
配当金の権利確定日は、毎年3月末日と9月末日です。
なお、オムロン(6645)の場合、株主優待はありません。
4. オムロン(6645)の株価チャート
次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。
こちらには、長期の月足チャートを示しました。
上場来高値は2021年12月につけた12,115円です。
その後は、右肩下がりで下がってきてしまっています。
現在は、2021年12月から見ると株価は半分ほどになってしまいました。
なかなか値動きが激しいですね。
次に短期のチャートです。
こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。
短期で見ると、完全に右肩下がりとなってしまっています。
2024年2月5日に開いた四半期決算説明会で、2023年度の業績見通しを下方修正したことで、一時ストップ安となりました。
その後も、下げが止まっていない状況です。
良くないですね。
5. オムロン(6645)の売上高
では、売上高を見ていきましょう。
こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。
2019年度、2020年度はコロナの影響で少し落ち込みましたが、直近は回復し、コロナ前の水準に戻しています。
ちなみに、オムロン(6645)の決算月は3月です。
6. オムロン(6645)の一株配当
続いて、配当の推移について見てみましょう。
こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。
配当は右肩上がりで増えていますね。
今後も増配が期待できそうです。
7. オムロン(6645)のEPS(1株あたりの利益)
次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。
では、見ていきましょう。
デコボコですね。
特に、直近大きく落ち込んでいます。
中国の景気低迷にうまく対応できなかったことが主な要因のようです。
良くないですね。
詳しくは決算資料をご覧下さい。
8. オムロン(6645)のBPS(1株あたりの純資産)
次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。
また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。
では、そんなBPSを見てみましょう。
BPSはしっかりと右肩上がりで伸ばせています。
良いですね。
ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、12.8%です。
つまり、年間12.8%ずつこの会社は成長しているということを表しています。
素晴らしい成長です。
9. オムロン(6645)のROE(自己資本利益率)
最後にROEです。
ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。
それではオムロン(6645)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。
直近のROEは、0.85%です。
かなり低いですね。
ただ、過去を見ると比較的高い水準で推移しています。
日本株の中では良い方です。
10. オムロン(6645)の今後をまとめると
うーん、正直良くないですね。
これまではオムロンと言えば「安定している企業」というイメージだったのですが、2023年度の業績で一気にそのイメージが無くなってしまいましたね。
年度当初の業績予想に対して、年度中に2回も下方修正をしているわけですから、将来の事業に対する予測精度にどうしても疑問を感じてしまいます。
また、東洋経済の記事によると、価格変動の高い業界と中国市場に依存しすぎた結果だと書かれていますが、それはすなわち今後も事業が安定しないということを意味しているのだと思います。
2024年度の計画の中には、対策として2,000人規模の人員削減も織り込まれています。
うーん、なかなか厳しいですね。
株価もかなりの勢いで下がっています。
当然今手を出すべき銘柄ではないですね。
次に行きましょう。