日本株分析

「あのバフェットも投資した」三菱商事(8058)の株価を分析した

気になる銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。

本日は、三菱商事(8058)について分析していきます。

以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。

1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
  -長期チャート
  -短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ

1. 三菱商事(8058)とは?

三菱商事株式会社は、東京都千代田区丸の内に本社を置く三菱グループの大手総合商社です。

日経平均株価およびTOPIX Core30、JPX日経インデックス400の構成銘柄の一つ。

三井物産住友商事伊藤忠商事丸紅と共に五大商社の一つです。

貿易仲介を中心とした口銭を稼ぐビジネスが中心でしたが、藤野忠次郎が社長に就任した1970年代より資源開発への直接投資(天然ガスや原料炭)を手掛けるようになり、1980年代には菱食(現:三菱食品)など食料流通などのバリューチェーンの構築を展開。
1990年代にはコンビニエンスストアチェーンのローソンを通じた消費者マーケットの開拓など、川上から川下までの領域にわたる投資や経営参画を通じて収益を上げる体質に変化し、収益拡大を目指しているとのこと。

平均年収1,470万円という就活生にとっては憧れの企業です。
ただ、就活生が三菱商事に就職ができなくても、投資をすればこういった社員たちが一生懸命働いた利益を享受することができます。

投資って改めて考えるとすごいことです。
誰でも、お金さえ出せば、上場しているどんな企業にも投資をすることができます。
そして、放置していても優秀な社員や役員が勝手に頑張って利益を上げようとしてくれますからね。

2. 三菱商事(8058)の時価総額は?

三菱商事(8058)の時価総額は 10.1兆円です。(2023年時点)

時価総額ランクで言うと、SSランクです。

日本の上場企業ではトップクラスです。

3. 三菱商事(8058)の株価とPERと配当利回りは?

次に三菱商事(8058)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。

株価:7,141円(2023年10月時点)

三菱商事(8058)の株価は、7,141円です。
100株単位で売買できるので、約71万円から投資をすることができます。

うーん、一つの銘柄に70万円オーバーはちょっと高いですね。
とはいえ日本株の中では大体平均よりもちょっと高いかなくらいです。
高いものは100万円超えもありますからね。

PER:11.0倍(2023年10月時点)

次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。

三菱商事(8058)の場合、PERは11.0倍です。

10倍前後なので低PERです。
ただ、今まではずっと10倍以下だったイメージなのですが、ついに10倍を超えてきましたね。

配当利回り:2.80%(2023年10月時点)

続いて、配当利回りです。
三菱商事(8058)の場合、100株の投資でもらえる配当は毎年20,000円です。
配当利回りを計算すると、2.80%。

高配当とまでは言えませんが、配当は比較的多い方です。
こちらも、今まで三菱商事というと、常に3%以上の配当利回りがあったイメージだったのですが、ついに3%を割ってしまいました。

とにかく、直近の株価の上昇がすごいですからね。

配当金の権利確定日は、毎年3月末日と9月末日です。

なお、三菱商事(8058)の場合、株主優待はありません。

4. 三菱商事(8058)の株価チャート

次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。

三菱商事(8058) 月足チャート

こちらには、長期の月足チャートを示しました。

良いですね。
リーマンショックで大きく下げた後は、しっかりと右肩上がりで上昇しています。
特に、直近の上昇は目を見張るものがありますね。

もし仮にリーマンショックで下げた時に株を買っていたら、現在その株価は7倍以上になっていたことになります。

しっかりと長期投資が報われていますね。

次に短期のチャートです。

三菱商事(8058) 日足チャート

こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。

こちらも良いですね。
上値を切り上げながら、しっかりと上昇トレンドを形成しています。

直近はやや調整局面を迎えていますが、50日移動平均線を上に抜けることができればさらなる上昇が期待できそうです。

5. 三菱商事(8058)の売上高

では、売上高を見ていきましょう。

こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。

途中停滞したものの、ここ2年間の伸びはすごいです。
売上高は21兆円を超えました。

この7年間で売り上げを3倍に伸ばしたことになります。

6. 三菱商事(8058)の一株配当

続いて、配当の推移について見てみましょう。

こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。

配当も右肩上がりで伸びていますね。
これからも増配が見込めそうです。

7. 三菱商事(8058)のEPS(1株あたりの利益)

次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。

では、見ていきましょう。

こちらには、直近のEPSを棒グラフで示しました。

EPSも2020年まで停滞し、2021年には大きく下げましたが、ここ2年間はしっかりと伸びています。

8. 三菱商事(8058)のBPS(1株あたりの純資産)

次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。

また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。

では、そんなBPSを見てみましょう。

こちらには、直近のBPSを棒グラフで示してみました。

BPSは右肩上がりで伸びています。

ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、10.5%です。
つまり、年間10.5%ずつこの会社は成長しているということを表しています。

素晴らしいですね。

9. 三菱商事(8058)のROE(自己資本利益率)

最後にROEです。

ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。

それでは三菱商事(8058)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。

直近のROEは14.6%です。
2021年は10%を大きく割ってしまっていますが、直近はそれ以外は全て10%を超えています。

10. 三菱商事(8058)の今後をまとめると

今までは低PERで高配当な点が魅力的な銘柄でしたが、直近は株価が上がりすぎてしまっていて、今までほどの魅力がなくなってしまいました。

また、各数字は、直近2年間はすごい勢いで伸びているのですが、それ以前は正直パッとする内容ではありませんでした。
あのウォーレン・バフェットが2020年に日本の5大商社の株を大量保有していることを公表しましたが、当時からこの伸びを予測していたとすると、さすがとしか言いようがありません。

バフェットは今後も5大商社への投資を増やすと言っていますが、今の勢いのまま業績を伸ばせるかが今後のカギとなりそうです。

とはいえ、やはり「ザ・総合商社」の三菱商事です。
優秀な社員も集まるので今後に期待もあります。

気になる方は、IRなどチェックしてみて下さい。