気になる日本株銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。
本日は、NIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)について分析していきます。
以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。
1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
-長期チャート
-短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ
1. NIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)とは?
日本通運株式会社は、日本に本社を置く総合物流事業者です。
日本における業界最大手。
2022年1月4日に単独株式移転によりNIPPON EXPRESSホールディングス(以下、NXHD)を設立して持株会社制へ移行され、日本通運株式会社はNXHDの完全子会社となりました。
以下はWikipediaより引用
「日通で運べない物はない」と言われるほど、運ぶものを選ばない運送会社であることが、他の運送会社と大きく異なる。
中でも、俗に「ゲテモノ」と称される重量・大型品輸送・美術品輸送・動物輸送・鉄道輸送(通運)・大規模事業所移転・国際輸送の分野においては、右に出る事業者はいない。
運送会社の中で唯一、陸運・海運・空運と、全ての輸送モードをカバーしている。
取り扱う内容物のスケールが大きいことから、一般消費者には殆ど縁のない運送会社となっている(かつては小口宅配サービスの「ペリカン便」で、一般消費者にも強い知名度とインパクトをもっていた)。
「運べないものはない」、すごいです。
また、「引越しは日通」と引っ越しのイメージが強いですが、実は国内物流最大手で、災害対策基本法における指定公共機関にもなっています。
そんなNIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)の現在の社員数は34,299人です。
2. NIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)の時価総額は?
NIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)の時価総額は 6,691億円です。(2024年時点)
時価総額ランクで言うと、Aランクです。
3. NIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)の株価とPERと配当利回りは?
次にNIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。
株価:7,609円(2024年3月時点)
NIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)の株価は、7,609円です。
100株単位で売買できるので、約76万円から投資をすることができます。
高いですね。
一つの銘柄に60万円オーバーはやはり高すぎです。
これでは投資初心者では手が出せません。
PER:12.2倍(2024年3月時点)
次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。
NIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)の場合、PERは12.2倍です。
10倍前後なので、適正水準と言えます。
どちらかというとやや割安ですね。
配当利回り:3.94%(2024年3月時点)
続いて、配当利回りです。
NIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)の場合、100株投資をしてもらえる配当は30,000円です。
配当利回りを計算すると、3.94%。
なかなか高配当ですね。
配当金の権利確定日は、毎年6月末日と12月末日です。
なお、NIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)の場合、株主優待はありません。
4. NIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)の株価チャート
次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。
こちらには、長期の月足チャートを示しました。
NIPPON EXPRESSとしては、2022年1月に上場したばかりなので、長期のチャートで見ても、なんとも言えません。
次に短期のチャートです。
こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。
結構動きが激しいですね。
しばらく上昇して、決算発表で大きく下落して、というのを直近繰り返しています。
5. NIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)の売上高
では、売上高を見ていきましょう。
こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。
ホールディングス化されてまだ2年ちょっとなので、直近2年間の情報しかありませんが、この2年間では売上高は下がってしまっていますね。
ちなみに、NIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)の決算月は12月です。
6. NIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)の一株配当
続いて、配当の推移について見てみましょう。
こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。
うーん、配当も下がってしまっています。
毎年増配するような企業ではなさそうです。
7. NIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)のEPS(1株あたりの利益)
次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。
では、見ていきましょう。
EPSも下がってしまっています。
理想とする右肩上がりにはなっていません。
8. NIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)のBPS(1株あたりの純資産)
次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。
また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。
では、そんなBPSを見てみましょう。
BPSは伸ばせていますね。
ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、7.22%です。
つまり、年間7.22%ずつこの会社は成長しているということを表しています。
9. NIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)のROE(自己資本利益率)
最後にROEです。
ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。
それではNIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。
直近のROEは、4.63%です。
合格ラインを超えられていません。
ただ、2021年度は、しっかりと合格ラインを超えています。
今後に期待ですね。
ちなみに、流動比率は1.43倍です。
こちらは1倍を超えているので、問題ありません。
10. NIPPON EXPRESSホールディングス[日本通運](9147)の今後をまとめると
ホールディングス化されてまだ2年しか経っていないので、判断材料は少なかったのですが、少なくてもこの2年間でしっかりと数字を伸ばせているわけではありませんでした。
そもそも、物流業界は、慢性的な人手不足に加えて燃料費高騰によるコストの増大、さらに2024年度からトラックドライバーへの時間外労働の上限規制などが適用されるなど、様々な課題に直面しています。
こういった先行きが不透明な状態で、積極的に今NIPPON EXPRESSホールディングスに投資したいかというと、そうは思えませんでした。
気になる方はIRなども併せてチェックしてみて下さい。