日本株分析

大成建設(1801)の今後の株価を分析した

気になる日本株銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。

本日は、大成建設(1801)について分析していきます。

以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。

1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
  -長期チャート
  -短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ

1. 大成建設(1801)とは?

大成建設株式会社は、日本の大手総合建設会社で、スーパーゼネコン5社(大成建設、大林組、鹿島建設、清水建設、竹中工務店)の一角です。

戦前の大倉財閥の流れを汲むそうですが、スーパーゼネコンでは唯一の非同族会社だそうです。
戦後は、占領軍による財閥解体の危機に際し、旧来の社員だけで会社の存続を図るため、社員持株制度を基に資本・経営・組合を一対とした協同組合的な発想によって社員投票による役員選出や社員株主制度を導入しました。
その背景から、社員の会社であるという雰囲気が強いと言われているそうです。

1946年に現在の社名に改名。
「大成」という語は、創業者・大倉喜八郎の戒名「大成院殿礼本超邁鶴翁大居士」にちなみます。
また、「建設」という語は建築と土木の両方を表す新語として英語の”construction”から訳出したもので、大成建設が初めて社名に採用しました。
その後同業他社を中心に採用されるようになったそうです。

すごいですね。
今では「建設」がつく会社はたくさんありますもんね。

そんな大成建設(1801)の現在の社員数は14,466人です。

2. 大成建設(1801)の時価総額は?

大成建設(1801)の時価総額は 1.03兆円です。(2024年時点)

時価総額ランクで言うと、AAランクです。

3. 大成建設(1801)の株価とPERと配当利回りは?

次に大成建設(1801)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。

株価:5,587(2024年8月時点)

大成建設(1801)の株価は、5,587円です。
100株単位で売買できるので、約56万円から投資をすることができます。

1つの銘柄に56万円というは少し高いですね。
これだと株式投資初心者の方はポートフォリオの大部分が大成建設で締めることになってしまいます。

PER:15.9倍(2024年8月時点)

次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。

大成建設(1801)の場合、PERは15.9倍です。

15倍前後なので適正水準です。

配当利回り:2.33%(2024年8月時点)

続いて、配当利回りです。
大成建設(1801)の場合、100株投資をしてもらえる配当は13,000円です。
配当利回りを計算すると、2.33%。

高配当とまでは言えませんが、日本株の中ではなかなかある方ですね。

配当金の権利確定日は、毎年3月末日と9月末日です。

なお、大成建設(1801)の場合、株主優待としてゴルフ倶楽部優待クーポンなどがもらえます。

大成建設(1801)の株主優待については、↓に詳しくまとめているので、併せてご確認下さい。

4. 大成建設(1801)の株価チャート

次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。

大成建設(1801) 月足チャート

こちらには、長期の月足チャートを示しました。

値動きが激しいですね。
上場来安値は、2000年4月につけた570円です。

2006年には一度3,000円台に乗せましたが、その後再び株価は低迷しました。

ただ、2013年以降は右肩上がりとなり、2017年には上場来高値となる6,620円をつけました。
現在はそこからはやや下げましたが、再び上場来高値を目指すような動きとなっています。

次に短期のチャートです。

大成建設(1801) 日足チャート

こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。

短期で見ると、右肩上がりに見えますが直近大きく下落しました。
今後どうなるかはやや不透明ですね。

5. 大成建設(1801)の売上高

では、売上高を見ていきましょう。

こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。

2019年度までは右肩上がりで伸ばせていたのですが、コロナの影響もあり2020年度に大きく売上高を減らしてしまいました。
その後は回復傾向ではありますが、直近ようやくコロナ前の水準に戻してきました。

ちなみに、大成建設(1801)の決算月は3月です。

6. 大成建設(1801)の一株配当

続いて、配当の推移について見てみましょう。

こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。

配当は2019年度までは毎年のように増配していたのですが、その後は横ばいです。

7. 大成建設(1801)のEPS(1株あたりの利益)

次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。

では、見ていきましょう。

うーん、よくないですね。
2019年度以降は右肩下がりとなってしまっています。

8. 大成建設(1801)のBPS(1株あたりの純資産)

次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。

また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。

では、そんなBPSを見てみましょう。

BPSは良いですね。
キレイな右肩上がりです。

ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、10.6%です。
つまり、年間10.6%ずつこの会社は成長しているということを表しています。

成長率は素晴らしいです。

9. 大成建設(1801)のROE(自己資本利益率)

最後にROEです。

ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。

それでは大成建設(1801)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。

直近のROEは、4.33%です。

うーん、合格ラインをこられていません。
それに、過去を見ると、過去は合格ラインを安定して超えられていたのですが、完全に右肩下がりとなってしまっていますね。

良くないです。

ちなみに、流動比率は1.25倍です。
こちらは1倍を超えているので問題ありません。

10. 大成建設(1801)の今後をまとめると

うーん、正直イマイチでしたね。
BPSはしっかりと伸ばせていたのですが、その他の数字は良くなく、コロナからの回復も遅れいている印象です。

この状態では、投資をしたいとは思えません。

残念ですが、日本株にはもっといい銘柄がたくさんあります。
次を探しに行きましょう。