気になる日本株銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。
本日は、ANAホールディングス(9202)について分析していきます。
以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。
1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
-長期チャート
-短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ
1. ANAホールディングス(9202)とは?
ANAホールディングス株式会社は、全日本空輸(ANA)を中心とする企業グループ、ANAグループの持株会社です。
全日本空輸は、全日空と呼ぶ方がおなじみかもしれません。
主に定期および不定期航空輸送や貨物の取扱いを行っています。
また、航空機部品の販売や旅行企画販売業なども営みます。
国内線乗客数において日本最大の航空会社。
イギリス・スカイトラックス社による航空会社の格付けで、韓国のアシアナ航空や香港のキャセイパシフィック航空と並ぶ実質最高評価の「ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ(The World’s 5-Star Airlines)」の認定を得ています。
日本のエアラインとしては史上初の5スターの獲得となっています。
日経平均株価およびTOPIX Large70の構成銘柄の一つ。
そんなANAホールディングス(9202)の現在の社員数は40,507人です。
2. ANAホールディングス(9202)の時価総額は?
ANAホールディングス(9202)の時価総額は 1.48兆円です。(2024年時点)
時価総額ランクで言うと、AAランクです。
3. ANAホールディングス(9202)の株価とPERと配当利回りは?
次にANAホールディングス(9202)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。
株価:3,144円(2024年4月時点)
ANAホールディングス(9202)の株価は、3,144円です。
100株単位で売買できるので、約31万円から投資をすることができます。
日本株の中では普通ですが、一つの銘柄に30万円超えって高いですよね。
PER:11.3倍(2024年4月時点)
次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。
ANAホールディングス(9202)の場合、PERは11.3倍です。
10倍近いので、どちらかといえば割高です。
配当利回り:0.95%(2024年4月時点)
続いて、配当利回りです。
ANAホールディングス(9202)の場合、100株投資をしてもらえる配当は毎年3,000円です。
よって配当利回りは、0.95%。
配当は少ないですね。
ただ、ここ最近は無配で、今年度5期ぶりの復配となりました。
配当金の権利確定日は、毎年3月末日です。
なお、ANAホールディングス(9202)の場合、株主優待として、ANA国内線搭乗優待などがもらえます。
ANAホールディングス(9202)の株主優待については↓に詳しくまとめているので併せて御覧下さい。
4. ANAホールディングス(9202)の株価チャート
次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。
こちらには、長期の月足チャートを示しました。
バブルから大きく下がり続けて、その後は4,000円以下で停滞しています。
長期投資が報われていない銘柄ですね。
次に短期のチャートです。
こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。
2023年4月以降大きく株価を上げたのですが、それも長くは続かず、7月からはじわじわと下げてきてしまっています。
5. ANAホールディングス(9202)の売上高
では、売上高を見ていきましょう。
こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。
コロナで大きく下げましたが、その後は回復傾向です。
まだコロナ前の水準には戻せていませんが、今後に期待ですね。
ちなみに、ANAホールディングス(9202)の決算月は3月です。
6. ANAホールディングス(9202)の一株配当
続いて、配当の推移について見てみましょう。
こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。
配当は2019年度まではあったのですが、2020年度以降はコロナによる業績低迷を理由に無配となってしまいました。
ただ、今年度ようやく5期ぶりに復配となりました。
今後に期待したいですね。
7. ANAホールディングス(9202)のEPS(1株あたりの利益)
次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。
では、見ていきましょう。
EPSはデコボコですね。
コロナ禍では赤字となったため、マイナスとなってしまっています。
直近は黒字化できたものの、まだまだ完全回復には至っていません。
8. ANAホールディングス(9202)のBPS(1株あたりの純資産)
次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。
また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。
では、そんなBPSを見てみましょう。
コロナ前までは比較的堅調だったのですが、やはり2020年度からは大きく落ち込みました。
ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、-5.80%です。
つまり、年間5.80%ずつこの会社は衰退しているということを表しています。
9. ANAホールディングス(9202)のROE(自己資本利益率)
最後にROEです。
ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。
それではANAホールディングス(9202)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。
直近のROEは10.4%です。
直近は合格ラインを超えています。
過去を見ても、コロナ以前は合格ラインをしっかりと超えており、比較的良い経営をしていたということが分かります。
ポテンシャルはある会社です。
10. ANAホールディングス(9202)の今後をまとめると
厳しいですね。
コロナの影響をもろに受けています。
直近は需要の回復から3期ぶりの黒字化を果たしましたが、やはり世界経済の動向をもろに受けやすい業種だけに、安定的に資産を増やすための長期投資には向かない銘柄だと思いました。
ウォーレンバフェットも航空会社の株を買っていましたが、見通しが立たないので損切りしてしまっています。
もともとバフェットは航空会社と相性悪いですよね。
1989年のUSエアウェイズ投資以後、「懲りた」と言っているのに何度もいろいろな航空業界の銘柄を買っています。
個人的には投資したくはないです。
気になる方は、IRなどチェックしてみて下さい。