日本株分析

「巨額赤字」楽天グループ(4755)の株価を分析した

気になる銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。

本日は、楽天グループ(4755)について分析していきます。

以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。

1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
  -長期チャート
  -短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ

1. 楽天グループ(4755)とは?

楽天グループ株式会社は、東京都世田谷区に本社を置く、インターネット関連サービスを中心に展開する日本の企業です。
日経平均株価の構成銘柄の一つ。
Eコマース、通信、金融、不動産、スポーツなど様々な業種の企業を傘下に有していて、日本最大級のECサイトである「楽天市場」を運営しています。

ネット上のEC・旅行は国内最大手。
楽天証券もネット専業で大手級。
「楽天カード」は国内クレジットカード首位です。

2019年には、携帯電話事業に参入。

すごいですよね。
もはや日本人の生活にはなくてはならない企業となっています。
よく、節約術などで「楽天経済圏」という言葉聞きます。

要するに、楽天のサービスを利用することで、楽天ポイントを貯め、そのポイントで様々な支払いを行うことで生活ができてしまうということです。
それだけ、多岐に渡るサービスを展開しているということだと思います。

2. 楽天グループ(4755)の時価総額は?

楽天グループ(4755)の時価総額は 1.29兆円です。(2023年時点)

時価総額ランクで言うと、AAランクです。

3. 楽天グループ(4755)の株価とPERと配当利回りは?

次に楽天グループ(4755)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。

株価:604円(2023年9月時点)

楽天グループ(4755)の株価は、604円です。
100株単位で売買できるので、約6万円から投資をすることができます。

良いですね。
日本株の中では比較的少額から取引が可能な銘柄です。

PER:-倍(2023年9月時点)

次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。

楽天グループ(4755)の場合、現在算出できません。

配当利回り:0.74%(2023年9月時点)

続いて、配当利回りです。
楽天グループ(4755)の場合、100株の投資でもらえる配当は毎年450円です。
配当利回りを計算すると、0.74%。

かなり少ないですね。

配当金の権利確定日は、毎年12月末日です。

なお、楽天の場合、株主優待として、楽天キャッシュや様々なサービスの無料クーポンがもらえます。
楽天の株主優待については、↓を確認してみて下さい。

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4. 楽天グループ(4755)の株価チャート

次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。

楽天グループ(4755) 月足チャート

こちらには、長期の月足チャートを示しました。

あまり方向感の無い動きですね。
2015年をピークに直近のここ数年では軟調となっています。

次に短期のチャートです。

楽天グループ(4755) 日足チャート

こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。

2023年5月に、3000億円調達の公募増資を発表したことで、株価を大きく落としました。

発表した公募増資について詳しくはこちら

ただ、直近は株価をやや戻してきています。

5. 楽天グループ(4755)の売上高

では、売上高を見ていきましょう。

こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。

良いですね。
しっかりと伸ばせています。

ちなみに、楽天グループ(4755)の決算月は12月です。

6. 楽天グループ(4755)の一株配当

続いて、配当の推移について見てみましょう。

こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。

楽天の場合、配当はここ数年ずっと1株あたり4.5円です。
安定していますが、今後増配を見込める企業かというとそうではなさそうです。

7. 楽天グループ(4755)のEPS(1株あたりの利益)

次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。

では、見ていきましょう。

こちらには、直近のEPSを棒グラフで示しました。

良くないですね。
凸凹ですし、直近4年間は赤字のためEPSはマイナスとなっています。
2022年度には、過去最大の赤字を計上しています。

この赤字の主な原因は、2019年に参入したモバイル事業の不振のようです。
このモバイル事業の大幅赤字の回復の方策の1つが、上でもご紹介した公募増資なのだと考えられます。

赤字は拡大傾向ですし、ちょっと今のところ黒字化できる道筋が描けないですね。

8. 楽天グループ(4755)のBPS(1株あたりの純資産)

次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。

また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。

では、そんなBPSを見てみましょう。

こちらには、直近のBPSを棒グラフで示してみました。

こちらも凸凹ですね。
やはり、モバイル事業に参入した2019年から不安定になってしまっています。

ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、1.18%です。
つまり、年間1.18%ずつこの会社は成長しているということを表しています。

9. 楽天グループ(4755)のROE(自己資本利益率)

最後にROEです。

ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。

それでは楽天グループ(4755)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。

20%近いROEを叩き出す年度もあったのですが、直近は携帯事業の件もあり、大きく落ち込んでいます。

10. 楽天グループ(4755)の今後をまとめると

売上はキレイな右肩上がりで素晴らしかったです。
2兆円に迫る勢いで、まだまだ伸びそうな雰囲気は十分にあります。

ただ、とにもかくにもモバイル事業ですね。
いくら他の事業で儲けても、この事業にその利益をつぎ込んで、会社としてはマイナスとなってしまっています。

2017年にモバイル事業への参入を表明して以降、巨額の先行投資を続いて、もともと盤石だった楽天の財務体質は徐々に悪化しているのが事実です。
この事業がうまく行けばさらに会社としてパワーアップしますが、失敗すれば大きな痛手をこうむります。

個人的にはそういった挑戦は大好きなのですが、投資という面から見たら不確実な部分がたくさんあるので判断が難しいところです。

長期でしっかりと利益を出し続け、今後もキャッシュを生み出し続ける見通しがある程度できる企業に投資をしたいです。
そういった意味で楽天グループはチャレンジングなことをしているので評価がわかれると思います。

良い企業ではあるかと思いますが、個人的には投資は見送ります。

気になる方はIRなどもチェックしてみて下さい。