気になる日本株銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。
本日は、近鉄グループホールディングス(9041)について分析していきます。
以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。
1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
-長期チャート
-短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ
1. 近鉄グループホールディングス(9041)とは?
近鉄グループホールディングス株式会社は、大手私鉄の近畿日本鉄道(近鉄)、近鉄百貨店、近鉄エクスプレス、KNT-CTホールディングス(近畿日本ツーリスト・クラブツーリズム)などを中核とする近鉄グループの持株会社です。
創立は1910年。
関西の有力私鉄である近畿日本鉄道は、営業路線距離で国内最長です。
大阪、奈良、京都の主要都市間を結ぶ複数路線に加え、大阪と名古屋、三重を結ぶ路線もあります。
さらに傘下にはバスやタクシー、航空貨物のほか、旅行業KNT−CTグループ、近鉄百貨店などがあります。
商業施設とオフィスからなる「上本町YUFURA」のほか、14年春に複合高層ビル「あべのハルカス」がオープンしました。
あべのハルカスは、一時期横浜ランドマークタワーを抜き、日本で最も高いビルとなりました。
そんな近鉄グループホールディングス(9041)の現在の社員数は30,343人です。
2. 近鉄グループホールディングス(9041)の時価総額は?
近鉄グループホールディングス(9041)の時価総額は 6,270億円です。(2024年時点)
時価総額ランクで言うと、Aランクです。
3. 近鉄グループホールディングス(9041)の株価とPERと配当利回りは?
次に近鉄グループホールディングス(9041)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。
株価:3,297円(2024年9月時点)
近鉄グループホールディングス(9041)の株価は、3,297円です。
100株単位で売買できるので、約33万円から投資をすることができます。
高いですね。
ただ、日本株の中では一般的な価格帯だと思います。
PER:14.3倍(2024年9月時点)
次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。
近鉄グループホールディングス(9041)の場合、PERは14.3倍です。
こちらは20倍以下なので、適正水準といえます。
配当利回り:1.52%(2024年9月時点)
続いて、配当利回りです。
近鉄グループホールディングス(9041)の場合、100株投資をしてもらえる配当は5,000円です。
配当利回りを計算すると、1.52%。
配当はあまりありませんね。
配当金の権利確定日は、毎年3月末日と9月末日です。
なお、近鉄グループホールディングス(9041)の場合、株主優待として近鉄全線で利用できる乗車券などがもらえます。
近鉄グループホールディングス(9041)の株主優待については、↓にまとめていますので、併せてご覧下さい。
4. 近鉄グループホールディングス(9041)の株価チャート
次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。
こちらには、長期の月足チャートを示しました。
典型的な日本株の動きです。
1989年のバブル崩壊から大きく値を下げ、その後は軟調。
2011年で底を打ってからはやや上昇基調にあったのですが、直近は再び軟調ですね。
次に短期のチャートです。
こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。
2024年4月までは堅調だったのですが、それ以降は株価が崩れてしまっていますね。
あまり良くないです。
5. 近鉄グループホールディングス(9041)の売上高
では、売上高を見ていきましょう。
こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。
2020年度と2021年度はコロナの影響もあり落ち込みましたが、直近はコロナ前の水準を上回っています。
ちなみに、近鉄グループホールディングス(9041)の決算月は3月です。
6. 近鉄グループホールディングス(9041)の一株配当
続いて、配当の推移について見てみましょう。
こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。
コロナの影響を受けた2020年度と2021年度を除くと、安定して1株あたり50円となっています。
毎年増配しているような会社ではないですね。
7. 近鉄グループホールディングス(9041)のEPS(1株あたりの利益)
次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。
では、見ていきましょう。
うーん、デコボコですね。
2020年度はマイナスとなってしまっています。
これを見ると、あまり投資をしたいとは思えません。
8. 近鉄グループホールディングス(9041)のBPS(1株あたりの純資産)
次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。
また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。
では、そんなBPSを見てみましょう。
BPSはキレイな右肩上がりとはなっていませんが、比較的堅調に伸ばせています。
ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、6.30%です。
つまり、年間6.30%ずつこの会社は成長しているということを表しています。
9. 近鉄グループホールディングス(9041)のROE(自己資本利益率)
最後にROEです。
ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。
それでは近鉄グループホールディングス(9041)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。
直近のROEは、9.26%です。
合格ラインは超えられてませんが、過去を見ると、ほぼ合格ラインの10%となっています。
日本株の中ではかなり健闘しています。
良い経営をしている証拠です。
ちなみに、直近の流動比率は1.01倍です。
こちらはギリギリですが1倍を上回っています。
10. 近鉄グループホールディングス(9041)の今後をまとめると
各数字の伸びは悪くはないです。
コロナの影響で大きな打撃をくらったものの、直近はしっかりと回復してきています。
ただ、気になるのは、EPSがデコボコな点と流動比率がギリギリ1倍な点です。
それを考慮してまで、投資をしたいと思える要素は正直見当たりませんでした。
気になる方はIRなどをチェックしてみて下さい。