気になる日本株銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。
本日は、電通グループ(4324)について分析していきます。
以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。
1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
-長期チャート
-短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ
1. 電通グループ(4324)とは?
株式会社電通は、広告代理店です。
日本最大の広告代理店であり「広告界のガリバー」の異名を持ちます。
また、海外の広告会社に対する積極的なM&Aにより規模を拡大させ、世界では第5位の規模を誇っています。
個人的なイメージですが、「合コンでモテる」企業名です。 近年では、新入社員の自殺などあまりよくないニュースもあります。
そんな電通グループ(4324)の現在の社員数は5,627人です。
2. 電通グループ(4324)の時価総額は?
電通グループ(4324)の時価総額は 1.07兆円です。(2024年時点)
時価総額ランクで言うと、AAランクです。
3. 電通グループ(4324)の株価とPERと配当利回りは?
次に電通グループ(4324)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。
株価:4,032円(2024年7月時点)
電通グループ(4324)の株価は、4,032円です。
100株単位で売買できるので、約40万円から投資をすることができます。
うーん、高いですね。
投資初心者が買うのに40万円超えはハードルが高いです。
PER:17.3倍(2024年7月時点)
次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。
電通グループ(4324)の場合、PERは17.3倍です。
20倍以下なので、適正水準と言えます。
配当利回り:3.46%(2024年7月時点)
続いて、配当利回りです。
電通グループ(4324)の場合、100株投資をしてもらえる配当は13,950円です。
配当利回りを計算すると、3.46%。
配当は良いですね。
高配当の部類です。
配当金の権利確定日は、毎年6月末日と12月末日です。
なお、電通グループ(4324)の場合、株主優待はありません。
4. 電通グループ(4324)の株価チャート
次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。
こちらには、長期の月足チャートを示しました。
すごい値動きですね。
2012年以降順調に株価を上げ、2015年には高値7,030円をつけましたがその後は下落。
5,000円をあっさり割って1,000円台になりました。
それ以降は再び株価を上げ、5,000円にタッチしたところで再び下がってきてしまっています。
次に短期のチャートです。
こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。
うーん、よくないですね。
決算発表のたびに大きく下落してしまっています。
5. 電通グループ(4324)の売上高
では、売上高を見ていきましょう。
こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。
売上高は比較的堅調です。
2020年度は少し下げましたが、それを除くと右肩上がりで伸ばせていますね。
ちなみに、電通グループ(4324)の決算月は12月です。
6. 電通グループ(4324)の一株配当
続いて、配当の推移について見てみましょう。
こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。
配当は減配している年もありますが、引いて見ると増えているように見えますね。
悪くないです。
7. 電通グループ(4324)のEPS(1株あたりの利益)
次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。
では、見ていきましょう。
うーん、デコボコですね。
2019年度と2020年度と直近の2023年度はマイナスになってしまっています。
よくないです。
8. 電通グループ(4324)のBPS(1株あたりの純資産)
次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。
また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。
では、そんなBPSを見てみましょう。
BPSも長期投資の理想とする右肩上がりとはなっていません。
あまりよくないです。
ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、-0.39%です。
つまり、年間0.39%ずつこの会社は衰退しているということを表しています。
9. 電通グループ(4324)のROE(自己資本利益率)
最後にROEです。
ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。
それでは電通グループ(4324)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。
直近のROEは、赤字のため算出できません。
ただ、過去を見ると、赤字となってしまった2019年度と2020年度を除けば、比較的検討していると言えます。
ちなみに、流動比率は2.32倍です。
こちらは1倍を超えているので問題ありません。
10. 電通グループ(4324)の今後をまとめると
日本を代表する大企業であるのは間違いないですが、正直、各数字の伸びも良くないですし、PERも高めで、株価も右肩下がりで、正直良いところが見当たりませんでした。
この状態だと、投資をしたいとはとてもじゃないですが言えません。
日本株の中にはもっといい銘柄はたくさんあります。
次を探しに行きましょう。
気になる方は、IRなどチェックしてみて下さい。