気になる銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。
本日は、日本郵政(6178)について分析していきます。
以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。
1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
-長期チャート
-短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ
1. 日本郵政(6178)とは?
日本郵政株式会社は、東京駅千代田区大手町に本社を置く日本郵政グループの持株会社です。
2007年、郵政民営化に伴い発足しました。
現在は総務省が所管。
日経平均株価およびTOPIX Large70の構成銘柄の一つ。
日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険などの傘下の事業会社を通じて郵便・物流事業、金融窓口事業・銀行事業、生命保険事業などを行っています。
世界企業の売上高ランキングであるフォーチュン・グローバル500によると、売上高は世界第58位。
かつUSPS、ドイツポストに次ぐ世界第3位規模の郵便事業体です。
2. 日本郵政(6178)の時価総額は?
日本郵政(6178)の時価総額は 4.52兆円です。(2024年時点)
時価総額ランクで言うと、AAランクです。
3. 日本郵政(6178)の株価とPERと配当利回りは?
次に日本郵政(6178)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。
株価:1,427円(2024年10月時点)
日本郵政(6178)の株価は、1,427円です。
100株単位で売買できるので、約14万円から投資をすることができます。
日本株の中では比較的投資がし易い価格ですね。
PER:16.3倍(2024年10月時点)
次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。
日本郵政(6178)の場合、PERは16.3倍です。
20倍以下なので、適正水準です。
配当利回り:3.50%(2024年10月時点)
続いて、配当利回りです。
日本郵政(6178)の場合、100株の投資をしてもらえる配当は、年間5,000円です。
利回りを計算すると、3.50%。
配当はなかなか良いですね。
4. 日本郵政(6178)の株価チャート
次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。
こちらには、長期の月足チャートを示しました。
良くないですね。
2015年に上場して、直後にピークをつけてからその後ズルズルと下げています。
2020年押し目をつけて、その後上昇を続けていますが、まだ2015年の高値に対しては低い水準で推移しています。
長期投資が報われていませんね。
次に短期のチャートです。
こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。
2024年7月までは上昇していましたが、その後大きく下げ、現在に至るまでレンジの動きとなっています。
5. 日本郵政(6178)の売上高
では、売上高を見ていきましょう。
こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。
良くないですね。
直近はやや盛り返しましたが、それまでは右肩下がりでした。
6. 日本郵政(6178)の一株配当
続いて、配当の推移について見てみましょう。
こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。
配当は安定して1株あたり50円となっています。
ただ、逆に言うと、今後毎年のように増配を期待できるような企業ではありません。
7. 日本郵政(6178)のEPS(1株あたりの利益)
次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。
では、見ていきましょう。
こちらには、直近のEPSを棒グラフで示しました。
キレイな右肩上がりではないでの、あまり良くないですね。
2016年度にはマイナスになっていますし、全体的に見ても、デコボコしています。
8. 日本郵政(6178)のBPS(1株あたりの純資産)
次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。
また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。
では、そんなBPSを見てみましょう。
こちらには、直近のBPSを棒グラフで示してみました。
横ばいです。
安定しているようにも見えますが、年々成長しているという企業ではないことが分かります。
ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、-0.29%です。
つまり、年間0.29%ずつこの会社は衰退しているということを表しています。
まあ、実際に郵政が潰れることは無いとは思いますが、少なくてもイケイケの成長企業ではありません。
9. 日本郵政(6178)のROE(自己資本利益率)
最後にROEです。
ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。
それでは日本郵政(6178)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。
直近のROEは2.62%です。
かなり低いですね。
良くないです。
過去を見ても、かなりの低水準で推移しています。
10. 日本郵政(6178)の今後をまとめると
各指標は、どれをとってみても良くなかったですね。
今後の成長が見込めるような企業ではないので、長期投資には一切向かない銘柄でした。
世界的にも有数の規模の企業ですし、配当利回りは高いので、そこだけを見て投資をしたくなる人もいるかもしれませんが、どんなに配当が高くても、株価が下がってしまったら損をしてしまいますからね。
こういった企業は、僕の場合は、投資対象からはすぐに外します。
日本株の中にももっと良い企業はたくさんあります。
次を見ていきましょう。