日本株分析

三菱重工業(7011)の株価を分析した

気になる日本株銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。

本日は、三菱重工業(7011)について分析していきます。

以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。

1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
  -長期チャート
  -短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ

1. 三菱重工業(7011)とは?

三菱重工業株式会社は、東京都千代田区丸の内および横浜市西区みなとみらいに本社を置く、三菱グループの重工業メーカーです。

通称は「三菱重工」または「MHI」。

三菱グループの源流企業である日本郵船の船の修繕・改修のために国が払い下げた長崎造船所を発祥としています。
現在では日本最大の技術開発メーカーであり、事業領域は陸・海・空・宇宙と多岐にわたり、総合的な社会インフラ事業を担っています。
主力製品は、船舶、エネルギー関連機器、産業機械、航空機、ロケット、兵器など。
他にも、鉄道車両(リニア・電気機関車・懸垂型モノレール・新交通システム・LRVなど)の製造、さらにエアコンや事業所向け大型冷凍機、ターボチャージャー、ETCシステムの製造でも知られ、過去には「シルバーピジョン」というスクーターも製造していました。

三菱UFJ銀行、三菱商事とともに三菱グループ(旧三菱財閥)の「御三家」と呼ばれています。

また、川崎重工業(KHI)、IHI(旧・石川島播磨重工業)とともに日本の三大重工業の一角を成しており、事業内容・規模ともに首位です。

日経平均株価およびTOPIX Large70の構成銘柄の一つ。

また、三菱重工業に対するこんな印象的な説明もありました。

三菱重工業は伝統的に「三菱は国家なり」という意識を持ち、お国への所期奉公を社是としている。
三菱重工業の社長、会長を歴任した飯田庸太郎は「防衛産業で日本のお役に立てなければ、三菱が存在する意味はない。もうかるからやる、もうからないからやらないではなく、もって生まれた宿命と思っています」と語っている。
(出処:Wikipedea)

まさに、日本を背負った大企業というイメージがピッタリの会社ですね。

2. 三菱重工業(7011)の時価総額は?

三菱重工業(7011)の時価総額は 3.7兆円です。(2024年時点)

時価総額ランクで言うと、AAランクです。

3. 三菱重工業(7011)の株価とPERと配当利回りは?

次に三菱重工業(7011)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。

株価:11,000(2024年2月時点)

三菱重工業(7011)の株価は、11,000円です。
100株単位で売買できるので、約110万円から投資をすることができます。

高いですね。
これだと気軽に投資できません。

PER:19.5倍(2024年2月時点)

次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。

三菱重工業(7011)の場合、PERは19.5倍です。

20倍以下なので、適正水準です。
ただ、どちらかというと、割高だと思います。

配当利回り:1.45%(2024年2月時点)

続いて、配当利回りです。
三菱重工業(7011)の場合、100株投資をしてもらえる配当は毎年16,000円です。
配当利回りを計算すると、1.45%。

配当はそこそこあるという感じです。

配当金の権利確定日は、毎年3月末日と9月末日です。

なお、三菱重工業(7011)の場合、株主優待はありません。

4. 三菱重工業(7011)の株価チャート

次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。

三菱重工業(7011) 月足チャート

こちらには、長期の月足チャートを示しました。

三菱重工業、上げ下げが結構激しいですね。
ただ、直近はすごい勢いで上昇しています。

これまでの最高値は1989年で11,700円でした。

ちなみにこの年、日経平均も史上最高値38,915円をつけました。
日経平均はこの1989年につけた最高値をいまだに更新できていません。
ただ、直近日経平均株価は史上最高値を更新する動きとなってきていますが、三菱重工業は一足先に、直近上場来最高値を更新しました。

次に短期のチャートです。

こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。

直近は、キレイな右肩上がりの上昇トレンドとなっています。

5. 三菱重工業(7011)の売上高

では、売上高を見ていきましょう。

こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。

売上高は横ばいです。
ただ、安定して4兆円近くの売上高となっているのはさすがですね。

ちなみに、三菱重工業(7011)の決算月は3月です。

6. 三菱重工業(7011)の一株配当

続いて、配当の推移について見てみましょう。

こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。

2020年度に大きく減配したものの、その後は増配を繰り返しています。
現在では、2020年度よりも前の水準以上の配当となっていますね。

今後も増配が期待できそうです。

7. 三菱重工業(7011)のEPS(1株あたりの利益)

次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。

では、見ていきましょう。

うーん、凸凹ですね。
理想とするキレイな右肩上がりではありません。

ただ、直近の伸びは悪くありません。
今後これが継続できるかがポイントとなります。

8. 三菱重工業(7011)のBPS(1株あたりの純資産)

次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。

また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。

では、そんなBPSを見てみましょう。

BPSは2019年度までは減少傾向でしたが、それ以降は増加傾向となっています。
直近だけを見ると悪くないですね。

ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、-0.37%です。
つまり、年間0.37%ずつこの会社は衰退しているということを表しています。

ただ、直近だけを切り取るとしっかりと成長できていると思います。

9. 三菱重工業(7011)のROE(自己資本利益率)

最後にROEです。

ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。

それでは三菱重工業(7011)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。

直近のROEは7.49%です。

最低合格ラインが10%だと考えている僕からするとかなり低いです。
ROE、ここ数年で一番高くても10.96%(2014年)。

バフェットが投資対象とする銘柄は「ROE20%以上」といわれています。
もちろん業種によってもROEの水準は異なるのでなんともいえませんが、7%台は低いです。
投資を行う上でマイナスポイントです。

10. 三菱重工業(7011)の今後をまとめると

PERはまあまあ、EPSもまあまあ、BPSはまあまあ、ROEは全然ダメ、という感じでした。
あまり今買いたいと思えるポイントはありませんでした。

ただ、配当利回りは悪くはないので、大きく下がった時に購入できればそれなりにオイシイ銘柄かもしれません。
そして、そういった低い水準で買うことができれば、日本を代表する重工業の会社ですし、それなりにいいパフォーマンスをしてくれるんではないかと思います。
やるなら長期投資です。
一度買ったら長期でこの企業を保有するつもりで。
日本を代表するこの会社にしっかり働いてもらい、資本家である我々が利益を享受しましょう。

気になる方は、IRなどチェックしてみて下さい。