気になる銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。
本日は、味の素(2802)について分析していきます。
以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。
1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
-長期チャート
-短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ
1. 味の素(2802)とは?
味の素株式会社は、日本の食品企業です。
「味の素」は、同社が製造販売するL-グルタミン酸ナトリウムを主成分とするうま味調味料で、同社の登録商標。
現在のコーポレートスローガンは「Eat Well, Live Well.」。
日本国内だけでなく世界各地にグループ企業や工場を持っています。
化粧品ブランド「Jino」などアミノ酸生産技術を活用したケミカル事業、医薬事業も行っているそうです。
なお、主な製品は「味の素」「ほんだし」「クノール」「Cook Do」など。
どれも、我々の生活には欠かせない商品ですね。
日経平均株価およびTOPIX Large70の構成銘柄の一つとなっています。
2. 味の素(2802)の時価総額は?
味の素(2802)の時価総額は 3.03兆円です。(2024年時点)
時価総額ランクで言うと、AAランクです。
3. 味の素(2802)の株価とPERと配当利回りは?
次に味の素(2802)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。
株価:5,824円(2024年1月時点)
味の素(2802)の株価は、5,824円です。
100株単位で売買できるので、約58万円から投資をすることができます。
1つの銘柄に50万円以上というのは、なかなか高いですね。
PER:30.5倍(2024年1月時点)
次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。
味の素(2802)の場合、PERは30.5倍です。
30倍を超えているので割高ですね。
配当利回り:1.27%(2024年1月時点)
続いて、配当利回りです。
味の素(2802)の場合、100株投資をしてもらえる配当は毎年7,400円です。
配当利回りを計算すると、1.27%。
配当は少ないですね。
配当金の権利確定日は、毎年3月末日と9月末日です。
なお、味の素(2802)の場合、株主優待として毎年「味の素グループ製品詰め合わせ」がもらえます。
味の素(2802)の株主優待については↓をご確認下さい。
4. 味の素(2802)の株価チャート
次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。
こちらには、長期の月足チャートを示しました。
バブル崩壊から大きく値を下げ、その後は横ばいでした。
そして、2008年にリーマン・ショックでさらに下げ、1,000円割れの場面もありました。
しかしその後は急上昇。
2020年から現在まで株価はなんと3倍にまで膨らんでいます。
勢いがすごいですね。
次に短期のチャートです。
こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。
短期で見ると、2023年9月までは右肩上がりだったのですが、その後は下降トレンドとなってしまっています。
5. 味の素(2802)の売上高
では、売上高を見ていきましょう。
こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。
これまで横ばいであまり方向感がなかったのですが、直近は大きく伸ばしています。
直近の売上高は1.3兆円を超えました。
この規模の売上高はさすがですね。
ちなみに、味の素(2802) の決算月は3月です。
6. 味の素(2802)の一株配当
続いて、配当の推移について見てみましょう。
こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。
2019年度までは横ばいだったのですが、2020年度以降、なかなか大幅な増配をしてきています。
今後も増配が期待できそうですね。
7. 味の素(2802)のEPS(1株あたりの利益)
次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。
では、見ていきましょう。
こちらには、直近のEPSを棒グラフで示しました。
2019年度までは右肩下がりであまり良くなかったのですが、その後はしっかりと立て直し、直近3年間は大きく伸ばせています。
良いですね。
8. 味の素(2802)のBPS(1株あたりの純資産)
次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。
また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。
では、そんなBPSを見てみましょう。
BPSも傾向的にはEPSと同じですね。
2019年度以降、しっかりと右肩上がりで伸ばせています。
ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、4.82%です。
つまり、年間4.82%ずつこの会社は成長しているということを表しています。
9. 味の素(2802)のROE(自己資本利益率)
最後にROEです。
ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。
それでは味の素(2802)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。
直近のROEは12.2%です。
良いですね。
しっかりと合格ラインを超えてきています。
過去を見ると、なかなか10倍を超えられずに苦戦していたように見えますが、直近は2年連続で10倍を超えてきました。
これを継続できるかがポイントです。
10. 味の素(2802)の今後をまとめると
直近の数字の伸びは良かったのですが、それに伴ってすでに株価がかなりの勢いで上げています。
PERはなかなかの割高水準なので、今下手にエントリーすると、痛い目を見るかもしれません。
商品の優位性も感じますし、売上高1.3兆円を誇る日本を代表する企業ですが、個人的に投資をしたいと思えるような銘柄ではありませんでした。
気になる方は、IRなどチェックしてみて下さい。