気になる日本株銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。
本日は、東宝(9602)について分析していきます。
以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。
1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
-長期チャート
-短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ
1. 東宝(9602)とは?
東宝株式会社は、大阪の阪急阪神ホールディングスの持分法適用会社で、映画・演劇の製作配給・興行や不動産業を行う企業です。
日本の映画会社「御三家」のうち、連結売上高は最大規模。
阪急阪神ホールディングス、エイチ・ツー・オー リテイリングとともに、阪急阪神東宝グループの中核企業です。
元々、1932年8月に阪神急行電鉄(現在の阪急電鉄)の小林一三によって、演劇、映画の興行を主たる目的として株式会社東京宝塚劇場が設立されたのが始まりでした。
その後、1934年に東京宝塚劇場を開場したのを皮切りに、有楽座、日本劇場、帝国劇場を開場し、日比谷一帯を傘下に納め、浅草を手中に収める松竹とともに、東京の興行界を二分するに至りました。
1950年代に迎えた日本映画の黄金時代に際しては、『七人の侍』や『隠し砦の三悪人』などの黒澤明作品や『ゴジラ』や『モスラ』などの円谷英二による特撮作品を始めとする諸作品によって隆盛を極めます。
1959年にはニッポン放送、文化放送、松竹、大映と共にフジテレビを開局。
テレビにも本格的に進出します。
1990年代に入ると、自社での邦画製作は「ゴジラ シリーズ」を除き行われなくなり、主にテレビ局[や外部プロダクションが製作した映画を配給し、成功を収めます。
2000年以降は、ワーナー・マイカル・シネマズが優位に立っていたシネコン市場に本格的に参入し、2003年のヴァージン・シネマズ・ジャパン株式会社(現・TOHOシネマズ株式会社)の買収で、グループ企業のスクリーン数では第1位を誇ります。
なお、東宝の名前の由来は「東京宝塚」の略だそうです。
知りませんでした。
そんな東宝(9602)の現在の社員数は3,305人です。
2. 東宝(9602)の時価総額は?
東宝(9602)の時価総額は 9,142億円です。(2024年時点)
時価総額ランクで言うと、Aランクです。
3. 東宝(9602)の株価とPERと配当利回りは?
次に東宝(9602)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。
株価:5,393円(2024年7月時点)
東宝(9602)の株価は、5,393円です。
100株単位で売買できるので、約54万円から投資をすることができます。
一つの銘柄を買うのに50万円以上かかります。
投資初心者にはかなり高く感じてしまいますね。
PER:23.7倍(2024年7月時点)
次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。
東宝(9602)の場合、PERは23.7倍です。
20倍以上なので少し割高ですね。
配当利回り:1.30%(2024年7月時点)
続いて、配当利回りです。
東宝(9602)の場合、100株投資をしてもらえる配当は7,000円です。
配当利回りを計算すると、1.30%。
配当は少ないですね。
配当金の権利確定日は、毎年2月末日です。
なお、東宝(9602)の場合、株主優待として映画招待券がもらえます。
東宝(9602)の株主優待については↓に詳しくまとめているので、併せてご覧下さい。
4. 東宝(9602)の株価チャート
次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。
こちらには、長期の月足チャートを示しました。
何度か谷を形成しつつもここ数年はかなりしっかり上昇しています。
勢いを感じるチャートですね。
次に短期のチャートです。
こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。
直近まで右肩下がりとなっていたのですが、7月16日に、25年2月期第1四半期(3-5月)決算を発表し、その結果、翌日に株価が高騰しました。
7月17日は10%以上も株価が上がったようです。
25年2月期第1四半期(3-5月)の決算では、連結営業利益が前年同期比34.1%増と大幅に増加したことが好感されたようです。
5. 東宝(9602)の売上高
では、売上高を見ていきましょう。
こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。
コロナの影響を受ける前までは右肩上がりで推移していたのですが、2020年度はコロナの影響を受けて大きく売上高を下げました。
ただ、その後は回復し、直近はコロナ前の水準を上回る売上高となっています。
ちなみに、東宝(9602)の決算月は2月です。
6. 東宝(9602)の一株配当
続いて、配当の推移について見てみましょう。
こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。
配当も、コロナの影響で2020年度は減配となってしまいましたが、その後は回復し、直近ではコロナ前よりも高い水準となっています。
良いですね。
7. 東宝(9602)のEPS(1株あたりの利益)
次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。
では、見ていきましょう。
うーん、デコボコですね。
ただ、直近4年間は右肩上がりとなり、しっかりとコロナからは回復してきているという印象です。
8. 東宝(9602)のBPS(1株あたりの純資産)
次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。
また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。
では、そんなBPSを見てみましょう。
こちらはキレイな右肩上がりです。
素晴らしいですね。
ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、6.32%です。
つまり、年間6.32%ずつこの会社は成長しているということを表しています。
9. 東宝(9602)のROE(自己資本利益率)
最後にROEです。
ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。
それでは東宝(9602)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。
直近のROEは、9.87%です。
合格ラインの10%は超えなかったですが、日本株の中では比較的優秀です。
いいですね。
ちなみに、流動比率は3.47倍です。
こちらは1倍を超えているので全く問題ありません。
10. 東宝(9602)の今後をまとめると
悪くはないです。
直近、コロナ禍での落ち込みからもかなり回復してきました。
ただ、PERはやや高めなので、正直投資をするにしても今ではないと思ってしまいました。
気になった方はIRなどをチェックしてみて下さい。