日本株分析

「低PER・高配当だが・・・」神戸製鋼所(5406)の今後の株価を分析した

気になる日本株銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。

本日は、神戸製鋼所(5406)について分析していきます。

以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。

1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
  -長期チャート
  -短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ

1. 神戸製鋼所(5406)とは?

株式会社神戸製鋼所は、大手鉄鋼メーカーです。

統一商標・国際ブランド名は「KOBELCO」。

大手鉄鋼メーカーの中では最も鉄鋼事業の比率が低く、素材部門・機械部門・電力部門を3本柱とする複合経営が特徴。

素材部門では線材や輸送機用アルミ材、機械部門ではスクリュ式非汎用圧縮機などで高いシェアを持ちます。

電力部門も電力卸供給事業としては国内最大規模を誇っています。

また、神戸経済同友会の代表幹事を三井住友銀行(旧神戸銀行)、川崎重工業と持ち回りで、神戸商工会議所の会頭職を川崎重工業と交互に担ってきました。

ちなみに、元内閣総理大臣安倍晋三氏が会社員をしていたことでも有名です。
1979年(昭和54年)に神戸製鋼に入社し、ニューヨーク事務所、加古川製鉄所、東京本社で勤務しています。
加古川製鉄所での経験は、「私の社会人としての原点」、あるいは「私の原点」だったと回顧しています。

そんな神戸製鋼所(5406)の現在の社員数は38,106人です。

2. 神戸製鋼所(5406)の時価総額は?

神戸製鋼所(5406)の時価総額は 7,816億円です。(2024年時点)

時価総額ランクで言うと、Aランクです。

3. 神戸製鋼所(5406)の株価とPERと配当利回りは?

次に神戸製鋼所(5406)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。

株価:1,979円(2024年2月時点)

神戸製鋼所(5406)の株価は、1,979円です。
100株単位で売買できるので、約20万円から投資をすることができます。

20万円前後なので、ちょっと高いですが、日本株の中ではまだ比較的投資し易い価格です。

PER:6.51倍(2024年2月時点)

次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。

神戸製鋼所(5406)の場合、PERは6.51倍です。

10倍以下です。
かなり割安な状態です。

配当利回り:4.55%(2024年2月時点)

続いて、配当利回りです。
神戸製鋼所(5406)の場合、100株投資をしてもらえる配当は9,000円です。
配当利回りを計算すると、4.55%。

良いですね。
高配当です。

配当金の権利確定日は、毎年3月末日と9月末日です。

なお、神戸製鋼所(5406)の場合、株主優待はありません。

4. 神戸製鋼所(5406)の株価チャート

次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。

神戸製鋼所(5406) 月足チャート

こちらには、長期の月足チャートを示しました。

日本のバブル経済1990年から大きく下げ、その後2006年あたりに一度大きく盛り上がっています。
その後は大きく落ち込み、一時期は500円割れとなりました。

現在はやや株価を取り戻しています。

2017年にはデータ改ざんのニュースで世間を騒がせました。
以下はWikipediaより引用

2017年10月8日、アルミニウム、銅、鉄粉などに関し性能データの改竄や顧客に了解を得ない特採が常態化していたことが発覚した。製品は航空機、自動車、鉄道などで幅広く使用されており、三菱重工業、川崎重工業、IHI、SUBARUなどでデータが改竄された素材を使用した製品が販売されていたことが判明した。
影響は海外の取引先にも及び、2017年10月17日の世界鉄鋼協会年次総会でも話題となった。世界鉄鋼協会会長の進藤孝生は「データ改ざんが起きた原因や影響の分析が必要だ」とした。

次に短期のチャートです。

神戸製鋼所(5406) 日足チャート

こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。

2023年9月まではしっかりとした上昇トレンドを描いていたのですが、9月以降はやや調整局面を迎えているように見えます。

5. 神戸製鋼所(5406)の売上高

では、売上高を見ていきましょう。

こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。

2019年度と2020年度はやや売上高を減らしましたが、その後すぐに回復し、直近は2019年度前の水準を大きく上回っています。

ちなみに、神戸製鋼所(5406)の決算月は3月です。

6. 神戸製鋼所(5406)の一株配当

続いて、配当の推移について見てみましょう。

こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。

配当はデコボコしていますね。
増配もあれば減配もあるという感じです。

それにしても2022年度の配当はすごいですね。
前年から2倍以上の水準です。

これが今後も継続されると良いのですが。

7. 神戸製鋼所(5406)のEPS(1株あたりの利益)

次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。

では、見ていきましょう。

マイナスの年度も散見されます。
芳しくないですね。

8. 神戸製鋼所(5406)のBPS(1株あたりの純資産)

次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。

また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。

では、そんなBPSを見てみましょう。

2019年度以降はしっかりと右肩上がりで伸ばせています。

ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、3.71%です。
つまり、年間3.71%ずつこの会社は成長しているということを表しています。

9. 神戸製鋼所(5406)のROE(自己資本利益率)

最後にROEです。

ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。

それでは神戸製鋼所(5406)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。

直近のROEは、7.94%です。

うーん、低いですね。
過去を見ても一度も合格ラインに到達していません。

ちなみに、直近の流動比率は1.35倍です。
こちらは1倍を超えているので合格です。

10. 神戸製鋼所(5406)の今後をまとめると

日本を代表する大企業なので頑張って欲しいですが、数字はいずれも厳しいですね。

現在のPERを見るとバーゲンセールのような状態と言えそうですが、長期投資にはまったくおすすめできません。

気を取り直して次行きましょう。