日本株分析

アシックス(7936)の今後の株価を分析した

気になる日本株銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。

本日は、アシックス(7936)について分析していきます。

以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。

1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
  -長期チャート
  -短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ

1. アシックス(7936)とは?

株式会社アシックスは、競技用シューズやスニーカー、アスレチックウェアなどを製造、販売する企業です。

1949年、鬼塚喜八郎が神戸市に鬼塚商会(おにつかしょうかい)を設立、同年改組し鬼塚株式会社(後のオニツカ株式会社)が設立されました。
その後、1977年に株式会社ジィティオ(1948年設立)、ジェレンク株式会社(1952年設立)の3社と対等合併し、株式会社アシックスが発足しました。

スポーツシューズに強みを持ち、とりわけマラソン競技、バレーボールなどでは高いブランド力を持ちます。
現在では日本国内の同業界内で売上高一位を誇っています。

海外売上は年々拡大しており、2015年には海外売上比率76%を達成する等、グローバル企業として高い知名度を誇ります。

ブランドコンサルティング会社インターブランドが発表した、日本発のグローバル・ブランド価値評価ランキング「Japan’s Best Global Brands 2016」では、17位に選出されました。

アシックスといえば、「オニツカタイガー」で有名ですよね。
ウエアや一部用具も取り扱っています。

そんなアシックス(7936)の現在の社員数は8904人です。

2. アシックス(7936)の時価総額は?

アシックス(7936)の時価総額は 8,163億円です。(2024年時点)

時価総額ランクで言うと、Aランクです。

3. アシックス(7936)の株価とPERと配当利回りは?

次にアシックス(7936)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。

株価:4,455円(2024年1月時点)

アシックス(7936)の株価は、4,455円です。
100株単位で売買できるので、約45万円から投資をすることができます。

うーん、一つの銘柄に40万円超えはちょっと高いですね。
これだと気軽に投資ができません。

PER:29.7倍(2024年1月時点)

次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。

アシックス(7936)の場合、PERは29.7倍です。

PERは20倍を超えているので、割高ですね。
ただ、それだけ人気がある銘柄だと言えます。

配当利回り:1.35%(2024年1月時点)

続いて、配当利回りです。
アシックス(7936)の場合、100株投資をしてもらえる配当は6,000円です。
配当利回りを計算すると、1.35%。

配当はそこそこはある印象ですね。

配当金の権利確定日は、毎年6月末日と12月末日です。

なお、アシックス(7936)の場合、株主優待として、アシックス直営店舗や通販サイトで利用できる割引券がもらえます。

アシックス(7936)の株主優待については↓にまとめているので、併せてご確認下さい。

4. アシックス(7936)の株価チャート

次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。

アシックス(7936) 月足チャート

こちらには、長期の月足チャートを示しました。

良いですね。
長期で見るとしっかりと上昇しています。

長期投資が報われています。

特に直近の上昇がすごいですね。
2020年時点の株価から見ると、現在では株価が5倍になっています。

次に短期のチャートです。

アシックス(7936) 日足チャート

こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。

2023年9月まではキレイな右肩上がりで推移していましたが、直近はやや下げてきてしまっていますね。

5. アシックス(7936)の売上高

では、売上高を見ていきましょう。

こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。

2020年度までは緩やかに売上高を減らしていましたが、その後はしっかりと伸ばせていますね。

2022年度の決算資料を見てみると、販売価格の適正化と、東南アジアでの販売が好調だったことが直近売上高を伸ばせている主な要因のようです。
販売価格の適正化は要するに値上げをしたということですね。
ただ、それでも例えば主力のオニツカタイガーの売上高が2022年度は前年に比べて日本では35.8%、東南アジアでは2倍増えているようなので、しっかりと商品魅力を向上させた上での売上高の増加だと言えます。

ちなみに、アシックス(7936)の決算月は12月です。

6. アシックス(7936)の一株配当

続いて、配当の推移について見てみましょう。

こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。

配当は2021年度まではほぼ横ばいだったのですが、それ以降は大きく伸ばしていますね。
中期経営計画を前倒しで達成した分をしっかりと株主に還元する姿勢は評価できます。

7. アシックス(7936)のEPS(1株あたりの利益)

次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。

では、見ていきましょう。

うーん、EPSはデコボコですね。
ここに示した期間だけでも2期も赤字だった年があります。

2020年度はコロナだったのでしょうがないですが、2018年度は主に米国での販売不振によるところが大きかったようです。
ただ、直近はしっかりと回復しているので、軸足を東南アジアに移してきていて、それが功を奏しているように見えます。

今後に期待できそうです。

8. アシックス(7936)のBPS(1株あたりの純資産)

次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。

また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。

では、そんなBPSを見てみましょう。

BPSも理想とするキレイな右肩上がりではないですね。
2020年度までは年々BPSを減らしてしまっていました。
ただ、その後は伸ばせています。

ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、-2.03%です。
つまり、年間2.03%ずつこの会社は衰退しているということを表しています。

うーん、なかなか厳しいですね。

9. アシックス(7936)のROE(自己資本利益率)

最後にROEです。

ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。

それではアシックス(7936)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。

直近のROEは、11.7%です。

しっかりと合格ラインを超えていますね。
良いです。

ちなみに、流動比率は1.97倍です。
こちらは1倍を超えているので問題ありません。

10. アシックス(7936)の今後をまとめると

悪くないと思います。
近年赤字だった年がありましたが、しっかりと販売の軸足を東南アジアに移し、その東南アジアで売上を伸ばせているところは評価できると思います。

今後これを継続できるかが長期投資に値するかを決めます。

個人的には、今後もウォッチしていきたい銘柄です。

気になる方は是非IRなどをチェックしてみて下さい。