気になる銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。
本日は、ルネサスエレクトロニクス(6723)について分析していきます。
以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。
1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
-長期チャート
-短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ
1. ルネサスエレクトロニクス(6723)とは?
ルネサスエレクトロニクス株式会社は、東京都江東区に本社を置く半導体メーカーです。
三菱電機および日立製作所から分社化していたルネサス テクノロジと、NECから分社化していたNECエレクトロニクスの経営統合によって、2010年4月に設立されました。
社名の『Renesas』は、あらゆるシステムに組み込まれることで世の中の先進化を実現していく真の半導体のメーカー(「Renaissance Semiconductor for Advanced Solutions」)を標榜して名付けられたもののようです。
2021年における半導体企業売上高ランキングで15位、日本国内ではキオクシアに次ぐ2位です。
車載半導体市場シェアランキングではNXPセミコンダクターズ、インフィニオン・テクノロジーズに次ぐ3位として車載BIG3の一角を占め、特に車載マイコンでは世界シェアの3割を握る1位となっています。
汎用マイコンでもマイクロチップ・テクノロジーとSTマイクロエレクトロニクスに次ぐ世界シェア3位であり、車載と汎用を合わせたマイコンの世界シェアはNXPに次ぐ世界2位(17%)です。
すごい会社ですね。
2. ルネサスエレクトロニクス(6723)の時価総額は?
ルネサスエレクトロニクス(6723)の時価総額は 4.3兆円です。(2023年時点)
時価総額ランクで言うと、AAランクです。
3. ルネサスエレクトロニクス(6723)の株価とPERと配当利回りは?
次にルネサスエレクトロニクス(6723)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。
株価:2,429円(2023年12月時点)
ルネサスエレクトロニクス(6723)の株価は、2,429円です。
100株単位で売買できるので、約24万円から投資をすることができます。
日本株の中では普通の価格帯です。
PER:13.4倍(2023年12月時点)
次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。
ルネサスエレクトロニクス(6723)の場合、PERは13.4倍です。
20倍以下なので、適正水準ですね。
配当利回り:0%(2023年12月時点)
続いて、配当利回りです。
ルネサスエレクトロニクス(6723)の場合、配当はありません。
当然、配当利回りを計算しても、0%。
配当が無い日本株というのも今や珍しいですね。
なお、ルネサスエレクトロニクス(6723)は、株主優待もありません。
4. ルネサスエレクトロニクス(6723)の株価チャート
次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。
こちらには、長期の月足チャートを示しました。
うーん、ダダ下がりです。
以前までは、ずっと安値圏で張り付いていました。
直近は、やや上げてきています。
上場来最高値は2003年の8,460円。
上場来最安値は2013年の246円です。
次に短期のチャートです。
こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。
2023年7月までは上昇トレンドでしたが、7月をピークにやや下降トレンドへと転換してしまいました。
直近はやや盛り返しています。
5. ルネサスエレクトロニクス(6723)の売上高
では、売上高を見ていきましょう。
こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。
売上高はしばらく低迷していたものの、直近の伸びが凄いですね。
1.5兆円を超えました。
2022年度は、前年比で言うと売上高が1.5倍となったわけですから、その凄さがわかります。
ルネサスは、2013年以降に、米Intersil(インターシル)、米IDT(Integrated Device Technology)、英Dialog Semiconductor(ダイアログセミコンダクター)などを積極的に買収してきましたが、その効果が出てきたと言えるかもしれません。
売上高比率を見ると、国内分は約25%、海外分が約75%となっています。
海外比率が年々上がっているのも、注目すべきポイントです。
6. ルネサスエレクトロニクス(6723)の一株配当
続いて、配当の推移について見てみましょう。
こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。
配当はありません。
ルネサスは、「企業価値の最大化の観点から、新製品の研究開発、設備投資などのために内部留保を重視」と謳っています。
これも一つの考え方ですよね。
それで企業として成長してくれて、それに伴って株価が上がってくれれば、文句はありません。
よって、ルネサスの場合、当分配当は期待できません。
7. ルネサスエレクトロニクス(6723)のEPS(1株あたりの利益)
次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。
では、見ていきましょう。
こちらには、直近のEPSを棒グラフで示しました。
2019年度までは減少傾向でしたが、直近3年間は伸ばせています。
特に直近の伸びはすごいです。
これが今後も継続できるかがポイントです。
8. ルネサスエレクトロニクス(6723)のBPS(1株あたりの純資産)
次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。
また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。
では、そんなBPSを見てみましょう。
BPSもしばらく停滞していましたが、直近は大きく伸ばせています。
良いですね。
ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、22.6%です。
つまり、年間22.6%ずつこの会社は成長しているということを表しています。
素晴らしいですね。
9. ルネサスエレクトロニクス(6723)のROE(自己資本利益率)
最後にROEです。
ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。
それではルネサスエレクトロニクス(6723)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。
直近のROEは16.7%です。
良いですね。
合格ラインを超えています。
ただ、過去を見ると安定的に合格ラインを超えていたわけではないので、これを今後も継続できるかがポイントです。
10. ルネサスエレクトロニクス(6723)の今後をまとめると
直近の数字だけを見るとかなり良いです。
優良銘柄と言えます。
ただ、過去を見てみると、あまり状況が良くなかったことが分かります。
今後もこの直近の状況が継続できるかがカギとなりそうです。
今すぐに買いたいと思える銘柄ではなかったので、引き続きウォッチしていきたいと思います。
気になる方は、IRなどチェックしてみて下さい。