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マネジャーは知っておくべき!幸せなチームを作る4つのポイント

先日、慶應義塾大学大学院システムデザインマネジメント研究科の前野隆司教授の講演を聴きに行ったので、今日はその内容を紹介したい。
この講演のテーマは、「人や職場が幸せになるメカニズム」。

会社で部下を持つ人にとっては非常に有益な内容だったと思う。

元エンジニアの幸福学者

講演の内容を紹介する前に、前野教授について少し紹介したい。
前野教授は、もともと某大手カメラメーカーに勤めていたようだが、1995年に慶應大学の専任講師となり、その後、工学部の教授となった。
そして、システムマネジメント研究科の立ち上げとともに、異動し、現在は主にプロダクトに繋がる幸福学の研究を行なっている。

幸福学を研究するようになったきっかけは、もともとカメラメーカーに勤務していたのだが、その自分が開発したプロダクトが、それを手にした人を幸せにしているのだろうか?という疑問を持ち、本来プロダクトの設計指標の中に「人が幸せになること」を入れて設計するべきだとの考えに至ったと言う。

近年、幸福学は世界中の研究者によって研究されており、ブームのような状態になっていると言う。
昨年1年間で発表された幸福学に関する研究論文は1,000にも及ぶ。
要するに、現在は1日に2〜3つもの「幸福」に関する新たな事実が明らかになっている、そんな状況なのだ。

ただ、そのどれもが、心理学の分野で、それをプロダクト等様々な分野に適用したといったものは非常に少ないと言う。
そこで、前野教授は、そういった論文で明らかになった事実を整理し、様々な企業と共同でプロダクトなど、我々の実生活への適用を行なっている。

そんな前野教授が、現在明らかになっている幸福学の事実から、どういった職場作りが人にとって、そして会社にとって良いのかということについて紹介してくれた。

今すぐやるべきことは幸せ改革

そもそも、過去の研究結果によると、以下のことがわかっているようだ。

・幸せな人の方が、そうでない人に比べて3倍以上創造性が高い
・幸せな人の方が、そうでない人に比べて1.5倍以上生産性が高い
・幸せな営業マンの方がそうでない営業マンに比べて37%以売り上げが高い

つまり、部下を幸せにすれば、自ずとチームのパフォーマンスも上がるのだ。

最近では、職場改革とか、働き方改革という言葉がよく出ているが、幸福度改革こそが本当にやるべきことなんだと思った。

では、どうすれば人は幸せを感じるのだろうか。

そこには4つのポイントがある。
順番に説明しよう。

幸せになる4つのポイント

①自己実現と成長の因子
これまでの研究結果によると、夢や目標を持っている人ほど幸福度が高いということが明らかになっているようだ。
さらには、その夢や目標に向けて努力をし続けている人は幸福度が高い。

②つながりと感謝の因子
感謝をする人は幸福度が高いようだ。
さらに、これと似ているが、親切で利他的な人ほど幸福度が高い。
また、多様な友人を持つ人ほど幸福度が高いということも示されている。

③前向きと楽観の因子
自己肯定感の高い人ほど幸福度が高い。
また、楽観的で細かいことを気にしない人ほど幸福度が高い。
これらはなんとなくイメージがし易いと思う。

④独立と自分らしさの因子
人の目を気にしない人、自分らしさを持っている人は幸福度が高いそうだ。
さらに、自分のペースを守っている人が幸福度が高い。

幸せなチームを作るために必要なこと

さて、これらのポイントを基に、幸せなチームを作るためにはどうすればいいのだろうか。
ここからは僕の考えなのだが、マネージャーは以下のようなことを意識してチームビルディングをするべきだと思う。

判断を部下に任せる

自分のペースで仕事をすること、さらには自己実現だったり自己成長を部下に感じさせることが大切だ。
前野教授いわく、やらせれ感はNG。
人は、やらされ感を感じた瞬間に一気にやる気をなくすそうだ。

だから、マネージャーは、あれこれとやかく部下に指示するのではなく、肝となるところだけ押さえて、あとの判断は部下に任せるくらいの度量が必要なのだろう。

仕事の意味を浸透させる

目標を持つこと、自分以外の誰かのために何かをやることが幸福度を高めるのであれば、チームで抱える仕事の意味をしっかりと部下に理解してもらうことが大事だ。
どんな仕事も、最終的に達成すべき目標があるし、それは辿っていけば人のため、社会のためになる。
それを部下に感じてもらえれば、部下の指揮も高まるのではないだろうか。

孤立させない

人は繋がりで幸せを感じるのだから、やっぱり仲が良くチームワークの良いチームに属する方が良いはずだ。
だから、雰囲気の良いチーム作りをする必要がある。
また、部下が難しい課題に取り組んでいるとき、「そんなのは自分で考えろ!」と部下を突き放すのではなく、チームメンバーみんなで考えようと手を差し伸べることが大事なんだと思う。

これらを全て行うのはなかなか難しいかもしれないけれども、部下が幸せになって困ることなんてない。
むしろチーム全体を見れば、良いことばかりなのだから、僕はこれから前野教授が紹介してくれた人が幸せになるポイントを意識してこれからマネジメントしてみようと思った。
是非みなさんもトライしてみてはいかがだろうか。

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