日本株分析

シャープ(6753)の今後の株価を分析した

気になる銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。

本日は、シャープ(6753)について分析していきます。

以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。

1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
  -長期チャート
  -短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ

1. シャープ(6753)とは?

シャープ株式会社は、大阪府堺市に本社を置く日本の電機メーカーです。

2016年に経営の失敗を受け台湾の鴻海精密工業(ホンハイジンミゴンイェ、略してホンハイ)が約3分の2の株式を取得し、ホンハイ傘下となりました。
日本の大手電機メーカーとしては初の外資傘下となった企業のようです。

なお、現在、日経平均株価の構成銘柄の一つとなっています。

2. シャープ(6753)の時価総額は?

シャープ(6753)の時価総額は6,168億円です。(2023年時点)

時価総額ランクで言うと、Aランクですね。

3. シャープ(6753)の株価とPERと配当利回りは?

次にシャープ(6753)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。

株価:940円(2023年9月時点)

シャープ(6753)の株価は、940円です。
100株単位で売買できるので、約9万円から投資をすることができます。

比較的少額から投資ができます。
この点は、初心者の方にも優しい銘柄ですね。

PER:61.1倍(2023年9月時点)

次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。

シャープ(6753)の場合、PERは61.1%です。
かなりの割高状態ですね。
ただ、このPERはシャープ株が人気だからというわけではなく、利益が少ないがために高PERとなっていると理解しておいた方がよさそうです。

配当利回り:0%(2023年9月時点)

続いて、配当利回りです。
シャープ(6753)の場合、2023年度は無配となることが発表されているので、配当利回りは0%です。

高PERで無配なんて、散々な状態ですね。
この時点で長期投資をしたい銘柄とは全くの逆を行っています。

4. シャープ(6753)の株価チャート

次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。

シャープ(6753) 月足チャート

こちらには、長期の月足チャートを示しました。

株価のピークは1999年です。
その後も2007年までは高値で推移していたのですが、そこからは急落。
現在では、ピーク時の26分の1の価値になってしまいました。

1999年から2007年というと、液晶テレビ「AQUOS」の第1号機を発売し、三原工場、亀山工場、堺工場と立て続けに稼働を開始した時でした。
結果的に、この時の過剰投資により、経営が傾いてしまったわけですが、この時は、まさかシャープがその後、外資系企業に買収され、株価が26分の1になってしまうとは、誰も思わなかったはずです。

長期投資家にとっては、ある意味学びの多い銘柄と言えるかもしれません。

次に短期のチャートです。

シャープ(6753) 日足チャート

こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。

値動きが激しいですね。
2023年に入ってから大きく下げ、それから停滞しています。
直近では少し戻しましたが、なかなか厳しいですね。

5. シャープ(6753)の売上高

では、売上高を見ていきましょう。

こちらには、直近の売上高の推移を棒グラフで示しました。

2019年度までは下げていたのですが、2020年度以降は上昇しています。
今後さらに売上を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

ただ、安定して2兆円の売上を出せているのはすごいですね。

6. シャープ(6753)の一株配当

続いて、配当の推移について見てみましょう。

こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。

配当はしばらく右肩上がりで増えていたのですが、2022年度は赤字に転落したため、一気に無配となってしまいました。

7. シャープ(6753)のEPS(1株あたりの利益)

次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。

では、見ていきましょう。

こちらには、直近5年間のEPSを棒グラフで示しました。

意外と言っては失礼かもしれませんが、2021年度までは意外としっかりと利益を出せていたんですね。
かつては赤字続きだったのですが、2021年度までの5年間では赤字は一度もありませんでした。
2021年度だけをとると、以前紹介した三菱電機(6503)よりもEPSの数字は高くなっています。

ただ、上でも書いたように、2022年度は残念ながら再び赤字へと転落してしまいました。

8. シャープ(6753)のBPS(1株あたりの純資産)

次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。

また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。

では、そんなBPSを見てみましょう。

こちらには、直近のBPSの推移を棒グラフで示してみました。

BPSも凸凹しています。
全然良くないですね。

ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、-9.70%です。
つまり、年間9.70%ずつこの会社は衰退しているということを表しています。

目もあてられません。

9. シャープ(6753)のROE(自己資本利益率)

最後にROEです。

ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。

それではシャープ(6753)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。

ROEは、意外と過去には合格ラインを超えていました。
ホンハイの下、しっかりと経営改革が進められたということなのでしょうか。

ただ、2022年度は赤字となっています。
赤字は、ホンハイの傘下に入る前の2016年3月期以来、実に7年ぶりとのこと。
赤字の主な理由は、液晶パネル事業の悪化のようです。
ただ、構造改革費用の計上もあり、それも含めて赤字に転落する理由だと言います。

この状態に対して、沖津雅浩副社長は「抜本的な改革を実施し、事業構造の転換を図る。24年3月期には確実に黒字化する」と説明しています。(出処:日経新聞)

2024年には、しっかりと元の水準に戻ることを期待したいものです。

10. シャープ(6753)の今後をまとめると

なかなか厳しい内容でしたが、正直言うと、思ったほど悪くなかったというのが感想です。

超一流企業だと思われていたシャープが、一時の投資判断を誤り、陥落した姿は、我々にとって非常に印象的だったと思います。
ただ、その印象の強さ故に株価への影響がここまで大きくなってしまったようにも思えます。

2023年度は赤字となってしまいますが、近年の業績はなかなか良かったこと、また今後自動車関連機器へのシフトを推し進めることなどを考慮すると、今後シャープが復権する可能性も十分あるのではないかと感じました。

宝くじに100万円注ぎ込むなら僕はまだシャープに100万円注ぎ込んだほうが可能性があると思います。
ただ、そういったハイリスクハイリターンの銘柄なので十分注意して取引して下さい。
夢を買いたい方にはおすすめです。

気になる方は是非チェックしてみて下さい。