今日は、最近読んだ本について紹介したいと思う。
最近は、いかに効率よく生きるかということについてよく考えていたため、本屋をふらふらしていた時にふとこの本が目に入った。
僕的には、勉強になることが多かったので、少し内容を紹介したいと思う。
この本は、精神科医の樺沢紫苑さんの著書。
時間は人生の通貨と定義し、その通貨を効率よく使うことで、何倍にも増やすことができると言う。
世の中には、様々な時間術を語った本があるが、この本の特徴は、「集中力」を中心に考える時間術だということ。
そして、著者が精神科医だけに、全ての内容にしっかりと科学的な根拠を示してくれていること。
このあたりが、これまで読んできた時間術の本とは違い、新鮮だった。
集中力を高めようとするのは無駄
人生を効率よく生きようと思うと、いつでもどこでも集中できるように、集中力を高める訓練をしようと思う人もいるのではないだろうか。
僕もそんなことを考えた時もあった。
ただ、この本によると、人の脳は疲弊していくものだから、集中力が保てない時間があるのは当然で、それを無理に高めることは無駄だというのだ。
それよりも、脳が最高のパフォーマンスを発揮できる時間帯を知って、その時間帯にそれに合った仕事をすることで、仕事効率を高めるのが重要だという。
脳のゴールデンタイムとは
人間の脳には、高い集中力を維持できる時間帯、つまり「脳のゴールデンタイム」が存在する。
そのゴールデンタイムは、「起床後の2〜3時間」「休憩した直後」「終業間際の時間帯」「締め切り前日」など。
特に朝、起床後の2〜3時間は、脳がまっさらな状態のため、1日に最も集中力が高い時間帯となる。
したがって、この時間には、クオリティの高い文章を書いたり、理論的な仕事、言語学習、難しい書類を読んだり書いたり、高度な注意力を必要とする書類作成など、脳のスペックを最大限に引き出す必要のある「集中仕事」をするべきなのだ。
朝通勤電車の中では、スマホとにらめっこしながら、ゲームをしたり、メールチェックをしている人がたくさんいるが、そういう人は、このゴールデンタイムを無駄遣いしている。
また、出社後すぐにメールチェックするのももったいない。
この脳のゴールデンタイムは、1日にたった2〜3時間しかないのだから。
朝の1時間と夜の1時間を比べると、仕事のアウトプットは2〜4倍にもなるという。
朝のゴールデンタイムにしっかりと集中仕事をすれば、人生の時間を2倍にも4倍にもできると言っても過言ではないのだ。
人間の体内には90分時計がある
人間の身体には、体内時計がある。
毎日同じ時間にお腹が空くとか、毎日同じ時間に目が覚めるとかで感じることができると思うが、最近、人間には90分時計があることが明らかになったらしい。
この体内の90分周期のリズムは「ウルトラディアンリズム」と呼ばれる。
人間は、このウルトラディアンリズムによって、覚醒度の高い90分間と、眠気の強い20分間が交互に訪れるサイクルをもっているとのこと。
つまり、90分間以上継続して集中力を保とうと思っても、そもそも無理なのだ。
90分間集中して仕事をしたら、その後はしっかり休むこと。
そんな当たり前のことが大事だということらしい。
気になることを書き出して集中力アップ
本書には、他にも集中力を高める方法がいくつか紹介されている。
その中で、私が試してみたいと思ったのが、「雑念消去」と「ストップウォッチ仕事術」だ。
順番に説明したいと思う。
まず、集中力に対する最大の敵は何か。
それは「雑念」だ。
雑念を排除することができれば、高い集中力を維持することができるようになる。
それでは、どのように雑念を排除すればいいのだろうか。
1番は、「書き出す」こと。
そもそも、人間の脳は、「目標が達成されない未完了課題についての記憶は、完了課題についての記憶に比べて想起されやすい」という特質を持っている。
これを「ツァイガルニク効果」と言うらしい。
つまり、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と頭の中に未完了の課題をたくさん意識している状態では、それらのことで脳が一杯になってしまうため、集中力が確保できないのだ。
そこで、それらを書き出すことで、脳に「完了した」と錯覚させてやることが効果的なんだとか。
ただ、それだけだと未完了課題のことを忘れてしまうので、書いた紙はいつでも見えるように置いておく。
そうすることで、雑念を頭から排除して、集中力を維持できるようになる。
ストップウォッチ仕事術
人間の脳内物質には、ノルアドレナリンというものがある。
これは、分泌されると、集中力を高める効果がある。
では、どのような時にノルアドレナリンは分泌されるのか?
それは、切羽詰まった時だ。
したがって、ノルアドレナリンの効果を利用して集中力を高めようと思ったら、自分を切羽詰まった状態に追い込んでやればいいのだ。
例えば、これからやる仕事の制限時間を決めて、ストップウォッチを片手に取り掛かる。
すると、減っていく制限時間を見ながら、焦って仕事をするため、ノルアドレナリンが分泌され集中力がアップする。
例えば、ダラダラと3時間仕事を続けるよりは、やらなければならない仕事を細分化して、それぞれの仕事に制限時間をもうけながら仕事をした方が、同じ時間、同じ仕事をするよりも、効率がいいということだ。
人生をより楽しむためのノウハウ
本書には、他にも効率よく生活するための様々なノウハウが書かれてある。
すでに知っている内容も多かったが、科学的な根拠も併せて書かれているため、しっかりと納得することができた。
とにかく、人間の脳の特性を理解して、効率よく生きれば、それだけ”楽しいこと”に人生の時間をより多く使えるということだ。
僕も今までブログなどは夜会社から帰ってきてから書いたりしていたが、この本を読んでからは、朝早起きして書くことにした。
実際このブログも朝5時に起きて書いている。
そうすることで、会社から帰ってからは、ゆっくり妻とおしゃべりをしながら夕食をとったり、寝る前にストレッチやヨガをする時間もとることができるようになった。
また、寝る前にパソコンを開かないため、ブルーライトを浴びることもなく、睡眠の質も上がった気がする。
本書で何度か登場する言葉だが、
「朝の30分は、夜の2時間に相当する。」
まさにその通りだと実感している。
是非みなさんにも試してほしい。