今年から10人ほどの部下を持って、チームでアウトプットを出すことを求められるようになった。
正直、僕がこれまで属してきたチームで、自分が最大限のアウトプットを出せていると感じながら働けたチームはほとんど無い。
けど、せっかく能力のあるメンバーが集まってできたチームならば、各人が自分の能力を最大限発揮できている状態を作らないともったいないと思う。
だから、僕は今年に入ってから、ずっとチームビルディングをどのように行なうべきかということを考えてきたんだ。
そこで、この本に出会った。
ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち
この本は、Googleで人事や人材開発に携わったポーランド人が書いた本だ。
いわゆる、啓発本だが、今僕が求めていた情報がたくさんあった。
その内容を少し紹介したいと思う。
僕と同じように、チームビルディングに悩んでいる人にとっては、参考になるのではないかと思う。
チームビルディングに必要な要素
本書では、チームビルディングに必要な要素は、①情報の見える化、②誇りを持てる仕事、③心理的安全性、④ラーニングアジリティの4つだと言っている。
①情報の見える化と②誇りを持てる仕事は、よく言われていることだから理解できると思う。
ただ、③心理的安全性と④ラーニングアジリティは、正直これまであまり考えてこなかった。
部下の心理的安全性を守ることの意味
③心理的安全性とは、本書によると、誰でも自分らしくチームに帰属できるという実感のこと。
チームとして良いパフォーマンスを発揮するためには、ダイバーシティが必要だ。
様々な視点で課題に取り組むことで、質の高いアウトプットが出せる。
だから、チームメンバー全員が様々な視点で様々なやり方で仕事をすることが大切なんだ。
ただ、僕がこれまで属してきたチームもそうだったし、きっと日本企業の多くがそうだと思うけど、チームごとに文化があり、そこに所属した人は、その文化に染まらないと、使えないというレッテルを貼られてしまう。
そんなやり方をしたら、当然個々人が心理的安全性を感じることなんてできないし、個々人の特徴は失われてしまう。
だから、例えチームメンバーのやり方や考え方が自分と合わなかったとしても、まずは個々人を尊重してやることが大事なんだと思った。
もしかしたら、部下を甘やかしているように感じる人もいるかもしれないけど、僕自身の経験から見ても、「こうやれ」「ああやれ」と言われてやるよりも、そういったストレスがかからない状態の方がいいパフォーマンスを発揮できると感じている。
明確なフィードバックをしてあげれば、チームがだらけた雰囲気になることはないだろうし。
この本を読んでから、僕はチームメンバーみんなのやり方を出来るだけ否定せずに尊重しているんだけれども、みんな活き活きとした表情で、チームの雰囲気も良くなったと感じている。
ラーニングアジリティとは
④ラーニングアジリティは、メンバー一人一人が新しい価値を学び、生んでいるという実感のこと。
これは、自分自身今まで何度も感じたことがあるんだけれども、仕事で新しいことを学んでいるという感覚だったり、成長している自分を感じられないと、その仕事に対するモチベーションが下がるんだよね。
だから、チームメンバーにも、常にチャレンジをさせて、成長の機会を与えることを忘れてはいけないんだ。
よく部下を表舞台に立たせずに、部下の手柄を自分のもののように取り上げてしまう上司がいるけど、結局そんなチームは良いパフォーマンスを発揮することなんてできない。
それよりも、部下のやりがいや充実感に目を向けて、仕事や表舞台に立つチャンスを与えることが必要だ。
マネージャーが考えるべきこと
今の日本の企業の中で、こういったことに気を配りながら仕事ができているマネージャーがどれだけいるだろうか。
海外へのアウトソーシングが進み、日本人に残された仕事は、どれも難易度の高い仕事ばかりだ。
そんな中で、従来の日本企業特有のマネージメントの仕方で仕事をしていたら、今後はきっと通用しなくなると思う。
だからこそ、マネージャーという立場も常に変化し続けなければいけない。
マネージャーが考えるべきことは、自身の出世だとか、部下への威厳なんていうものではなく、チームがいかに最大パフォーマンスを発揮できるのかということだ。
そのために、部下がモチベーションを持って働ける環境を作ることが第一なんだと思った。
是非みなさんも一度読んでみてほしい。
きっと現代を生きるビジネスパーソンにとって学びの多い本だと思う。