日本株分析

「紅麹問題で株価が急落」小林製薬(4967)の今後の株価を分析してみた

気になる日本株銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。

本日は、小林製薬(4967)について分析していきます。

以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。

1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
  -長期チャート
  -短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ

1. 小林製薬(4967)とは?

小森製薬株式会社は、大阪市中央区道修町4丁目に本社を置く、医薬品と衛生雑貨(トイレタリー)の企画・製造・販売をおこなう日本の企業です。

創業者の小林忠兵衛が1886年(明治19年)に愛知県名古屋市で「小林盛大堂」を開き、雑貨・化粧品・洋酒の販売を始めたのが始まりでした。
2年後には薬品卸部門を設立し、「タムシチンキ」「大効丸」「一日丸」などの薬品の販売を開始。
1919年(大正8年)には、大阪に進出し、本社を設置しました。

後に「アンメルツ」「ブルーレット」「サワデー」「トイレその後に」「サラサーティ」「熱さまシート」「フェミニーナ」「アイボン」「消臭元」「ケシミン」「ナイシトール」などの製品を開発し、テレビCMの放映も相まって、ヒット商品となりました。

2001年(平成13年)に使い捨てカイロメーカーである桐灰化学を子会社化したのを皮切りに、2006年(平成18年)には「間宮アロエ軟膏a」をはじめとするアロエを使用した製品の製造を行っているアロエ製薬を子会社化。
さらに、2013年(平成25年)には六陽製薬とジュジュ化粧品(2020年に吸収合併)を傘下とし、2014年春にスキンケア事業部を新設。
2016年8月には米国の外用消炎鎮痛剤と化粧品の製造販売会社Berlin社とその子会社Perfecta社を完全子会社化しました。
ほか、2019年12月期までに中国などに300億円のM&A投資を行うとしています。

意外にも、かなりM&Aに積極的な企業なんですね。

そんな小林製薬(4967)の現在の社員数は3,534人です。

なお、直近、2024年3月26日に小林製薬が製造・販売する「紅麹」のサプリメントを摂取した人が健康被害を訴えていることが報じられ、株価は大きく下落しています。

2. 小林製薬(4967)の時価総額は?

小林製薬(4967)の時価総額は 3,624億円です。(2024年時点)

時価総額ランクで言うと、Bランクです。

3. 小林製薬(4967)の株価とPERと配当利回りは?

次に小林製薬(4967)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。

株価:4,875円(2024年3月時点)

小林製薬(4967)の株価は、4,875円です。
100株単位で売買できるので、約49万円から投資をすることができます。

うーん、少し高いですね。
ただ、株価が暴落する前は、100株投資をするのに70万円弱の資金が必要だったことを考えると、これでもだいぶ投資し易くなりました。

PER:17.7倍(2024年3月時点)

次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。

小林製薬(4967)の場合、PERは17.7倍です。

20倍以下なので、適正水準ですね。

配当利回り:2.11%(2024年3月時点)

続いて、配当利回りです。
小林製薬(4967)の場合、100株投資をしてもらえる配当は10,300円です。
配当利回りを計算すると、2.11%。

高配当とまでは言えませんが、配当はある方です。

配当金の権利確定日は、毎年12月末日です。

なお、小林製薬(4967)の場合、株主優待として自社製品詰め合わせセットがもらえます。

小林製薬(4967)の株主優待については↓に詳しくまとめているので、併せてご確認下さい。

4. 小林製薬(4967)の株価チャート

次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。

小林製薬(4967) 月足チャート

こちらには、長期の月足チャートを示しました。

2013年から2021年までの伸びはすごいですね。
この8年間で株価は6倍にまで膨らみました。

ただ、その後は完全に下降トレンドで、現在は上場来高値をつけた2020年12月から比べると株価は半分以下となってしまっています。

次に短期のチャートです。

小林製薬(4967) 日足チャート

こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。

ここ最近は、ずっと右肩下がりとなっていたのですが、直近「紅麹」のサプリメントの健康被害報道がトドメとなり、さらなる下落となりました。
このチャートを見ただけで、投資をするべきではないと思ってしまいます。

投資の格言にも、「落ちてくるナイフはつかむな」という言葉がありますが、こういう急落の局面では、どこまで株価が下がるか分からないので、しっかりと反発を確認してから投資をするべきだと思います。

5. 小林製薬(4967)の売上高

では、売上高を見ていきましょう。

こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。

売上高はほぼ横ばいですね。
ただ、安定して売上高1,500億円を超えているのはさすがです。

ちなみに、小林製薬(4967)の決算月は12月です。

6. 小林製薬(4967)の一株配当

続いて、配当の推移について見てみましょう。

こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。

良いですね。
配当は右肩上がりです。

なんと24期連続で増配しているようです。

7. 小林製薬(4967)のEPS(1株あたりの利益)

次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。

では、見ていきましょう。

EPSも良いですね。
右肩上がりでしっかりと伸ばせています。

8. 小林製薬(4967)のBPS(1株あたりの純資産)

次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。

また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。

では、そんなBPSを見てみましょう。

BPSも右肩上がりです。
良いですね。
長期投資の理想とする形です。

ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、5.91%です。
つまり、年間5.91%ずつこの会社は成長しているということを表しています。

9. 小林製薬(4967)のROE(自己資本利益率)

最後にROEです。

ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。

それでは小林製薬(4967)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。

直近のROEは、9.95%です。

合格ラインをギリギリ超えられていませんが、過去を見ると安定して合格ラインを超えてきています。
良いですね。
経営が優秀な証拠です。

ちなみに、流動比率は2.82倍です。
こちらは1倍を上回っているので問題ありません。

10. 小林製薬(4967)の今後をまとめると

各数字の伸びはよかったです。
優良銘柄と言えます。

ただ、上でも書いたように、直近、紅麹(べにこうじ)を配合したサプリメント「紅麹コレステヘルプ」の服用者が健康被害を訴えている問題が起きており、死亡者も出ているということが報じられています。
これを受けて、株価は大きく下落しています。

小林製薬は、サプリメント「紅麹コレステヘルプ」の自主回収を公表していますが、さらに、イオンなどが「紅麹(こうじ)」を原料に含むプライベートブランド(PB)商品を自主回収すると発表するなど、小売業界にまで影響を与えています。
これによって、特別損失がどこまで膨れ上がるかが不透明なので、今株価が大きく下がったからといって、押し目買いを狙うのは少々危険かなと思います。

自体が沈静化して、株価が上向いたタイミングで買いを入れることをお勧めしたいと思います。
上で見てきたように、数字はしっかりと伸ばせている優良企業です。

僕も、しっかりと状況をウォッチして、PERが割安水準となり株価が上向いてきたタイミングを見計らってエントリーすることを狙ってみようと思います。

気になる方は四季報なども併せてチェックしてみて下さい。