気になる銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。
本日は、ファナック(6954)について分析していきます。
以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。
1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
-長期チャート
-短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ
1. ファナック(6954)とは?
ファナック株式会社は、日本を代表する大手電気機器メーカーです。
工場の自動化設備に照準を合わせたメーカーで、工作機械用CNC装置で世界首位(国内シェア7割、世界シェア5割)、産業用ロボットでも世界首位(世界シェア2割)となっています。
すごい会社ですね。
日本ロボット工業会に所属しており、中でもファナック・安川電機・ABBグループ・クーカは世界4大産業用ロボットメーカーと呼ばれています。
1972年、富士通から独立し創業しました。
本社は山梨県忍野村で、富士山のふもとの山の中です。
すごいところにありますね。
日経平均株価およびTOPIX Core30、JPX日経インデックス400の構成銘柄の一つです。
2. ファナック(6954)の時価総額は?
ファナック(6954)の時価総額は 3.91兆円です。(2023年時点)
時価総額ランクで言うと、AAランクです。
日本の上場企業ではトップクラスですね。
3. ファナック(6954)の株価とPERと配当利回りは?
次にファナック(6954)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。
株価:4,102円(2023年12月時点)
ファナック(6954)の株価は、4,102円です。
100株単位で売買できるので、約41万円から投資をすることができます。
高いですね。
ただ、ファナックは2023年3月に1株あたり5株の割合で株式分割を行いまし。
以前までは、100株買おうとすると、250万円以上したのですが、それから考えるとだいぶ投資がし易くなりました。
PER:34.4倍(2023年12月時点)
次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。
ファナック(6954)の場合、PERは34.4倍です。
やや割高ですね。
配当利回り:2.61%(2023年12月時点)
続いて、配当利回りです。
ファナック(6954)の場合、100株の投資でもらえる配当は毎年10,710円です。
配当利回りを計算すると、2.61%。
高配当とまでは言えませんが、日本株の中ではある方です。
なお、ファナック(6954)は、株主優待はありません。
4. ファナック(6954)の株価チャート
次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。
こちらには、長期の月足チャートを示しました。
何度か押し目を作りつつも、長期でみれば比較的右肩上がりで推移しています。
ただ、直近はレンジの動きとなっています。
次に短期のチャートです。
こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。
7月末から8月頭にかけて大きく下落していますね。
これは、7月28日の決算発表で、第1四半期の営業利益が前年同期比34.5%減となり、通期予想の下方修正を発表したことが原因のようです。
その後も、株価は戻せずにいます。
5. ファナック(6954)の売上高
では、売上高を見ていきましょう。
こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。
凸凹ですね。
2019年度までは減少していましたが、その後は伸ばしています。
ただ、やはり景気に左右されやすい業種だけに、多少凸凹するのはしょうがないのかもしれません。
6. ファナック(6954)の一株配当
続いて、配当の推移について見てみましょう。
こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。
配当も凸凹ですね。
ファナックの場合、配当性向60%が基本方針なので、業績次第で増配もあれば減配もあるということみたいです。
7. ファナック(6954)のEPS(1株あたりの利益)
次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。
では、見ていきましょう。
こちらには、直近のEPSを棒グラフで示しました。
EPSも凸凹ですね。
直近は伸ばせているものの、コロナ以前の水準にはまだ届いていません。
あまり良くないですね。
8. ファナック(6954)のBPS(1株あたりの純資産)
次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。
また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。
では、そんなBPSを見てみましょう。
BPSは途中やや停滞しつつも伸ばせています。
ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、3.16%です。
つまり、年間3.16%ずつこの会社は成長しているということを表しています。
9. ファナック(6954)のROE(自己資本利益率)
最後にROEです。
ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。
それではファナック(6954)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。
直近のROEは10.6%です。
良いですね。
合格ラインを超えています。
過去には、コロナの影響もあって10%を超えられていない年もありましたが、直近の2年間は10%を超えています。
10. ファナック(6954)の今後をまとめると
ファナックは、間違いなく世界に通用する日本を代表する会社です。
ただ、数字はそこまで良いわけではありませんでした。
直近こそ伸ばせているものの、長い目で見たときに、しっかりと成長している企業か、そして今後も成長が期待できる企業かというとそうではないのかなと思います。
個人的には、長期投資として買いたいと思える銘柄ではありませんでした。
気になる方は、IRなどチェックしてみて下さい。