読書

啓発本を読むならこれ1冊で十分!「残酷すぎる成功法則」が何度も読み返すくらいの良本だった!Part2

前回の続きで、今日もこの本の中から僕が今後生活に取り入れていきたい知識をまとめたいと思う。


残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する

人との繋がりが幸せのカギ

「人脈を大事にしなさい」と様々な本で言われているが、科学的にも、やはり人との繋がりは、人生を幸せに生きるためには欠かせないようだ。

ある調査によると、人は、1つだけでなく、いくつもの社会集団に入った方が困難から立ち直る回復力が高まり、ストレスを乗り越えやすくなるという。

また、社内で身近に1人有能な友人がいると、その従業員の努力と生産性は10%上がるという。

さらに、「アメリカにおける社会的孤立」という論文によると、友人がいないことは、肥満よりも健康に対する危険度が高く、1日にタバコ15本吸う健康リスクに匹敵するという。

つまり、”人と繋がる”ことは、ストレスにも、仕事のパフォーマンスにも、健康にも、全てにとって良い方向に導いてくれるということだ。

人脈をどうやって築けばいいのか?

では、”人との繋がり”を築くためには、どうすればいいのだろうか。
そのポイントは、傾聴と感謝だ。
これらは、啓発本やビジネス本で耳にタコができるほど聞かされていることだが、やはりこれにも科学的根拠がある。

哲学者で認知科学者のダニエル・デネットによれば、人間の脳には進化の過程で「戦争のメタファー」が組み込まれているという。
他者との不一致を”戦争”という観点で理解するのだ。

この人間の特性から、実は”話し合い”は良好な人間関係を築くための方法としてはあまり良くないことがわかってきた。

つまり、「話し合おう」と言って、自分の思っていることや、事実関係を論理的に説明することは、戦争を仕掛けているのと同じなのだ。

一生懸命に説明をしたのに、相手が理解を示してくれないとか、気分を害してしまったという経験をしたことがある人も多いと思う。
「ただ、説明しようとしただけなのに」と思うかもしれないが、本書でそれは”ベールに隠された支配欲”だと言う。
相手には、「私が正しく、あなたが間違っている理由はこうだ」と聞こえているだけなのだ。

相手を説き伏せようと考えていたら、よい人間関係は築けない。

また、認知と情動に関する問題を扱う雑誌「コグニション・アンド・イモーション」に掲載された調査によると、周りの人に好かれるための秘訣は、彼らに対する”感謝の気持ち”を持つことだという。

“感謝”こそは、幸福をもたらす最強の兵器であり、長続きする人間関係の礎なのだ。

定期的に時間をとって、感謝を伝えるといったアクションも必要かもしれない。
そうすると、好きな人にも好かれ、人生を幸せなものできるはずだ。

自信を持つと成功する確率が上がる?

「自己評価と収入の関係」と題する研究によれば、”自信”は賢さと同じくらい、”最終的にその人がどれほどの収益を得るか”を左右する重要な要素だと言う。

では、自信を持つためにはどうすればいいのか。
それは、ただ自信があるように振る舞えばいい。

カリフォルニア大学バークレー校の研究によれば、自信過剰な振る舞いを見せると、他者はその人を有能で高い地位にある人だと見なすそうだ。

そもそも、心理学者リチャード・ワイズマンの著書「その科学があなたを変える」によれば、悲しい時に笑顔をつくれば幸せな気持ちになれること、力強く振る舞うと痛みへの耐性が本当に増すことなどが様々な研究によって証明されている。

つまり、どう認識するかが実態以上に大切だということだ。

自信があるように振る舞えば、自信が出てくるし、周囲には自信があるように受け取られる。

自信は諸刃の刃

自信は、実際に能力を向上させ、成功を引き寄せるが、その反面、妄想や傲慢さにつながる恐れがある。

カリスマ性のあるリーダーは、従業員に良い影響を及ぼすが、尊大なリーダーは、職場のチームワークに悪影響を及ぼすという研究結果もある。

自信は決して万能ではないのだ。

自分への思いやり(セルフ・コンパッション)が大切

最近では、自信よりもより良いマインドが話題となっている。
それが自分への思いやり(セルフ・コンパッション)だ。
「セルフ・コンパッションと自己に関する不快な出来事に対する反応ー自己を思いやることの意義」と題する研究では、自分への思いやりレベルが高い人は、現状認識も正確であることが明らかになった。
彼らは自分自身や世界を正確に把握していたが、だからといって失敗したときに、自己を責めることもない。
一方、自尊心に重きを置く人びとは、ときどき自分を欺いたり、否定的だが有益なフィードバックを退けたりする。
現実を受け入れるより、自己の価値を証明することに執着するのだ。

どちらのタイプの人間が社会的に成功するかは明確だと思う。

自分への思いやりは自己改善力が高まる

自分への思いやりは、事実に目を向け、自分が完璧ではないことを受け入れる。
問題を直視させ、それを解決するための手立てを実行させる。

つまりは、セルフ・コンパッションがある人は、自分を責めずに、失敗を恐れず、先延ばしを減らし、グリットを高めることにつながるのだ。

どうすればセルフ・コンパッションを高められるのか?

自分の失敗とフラストレーションを認めよう。
否定したり、この世の終わりのように嘆かないこと。
正当化するのも悲劇の主人公になるのもいけない。
なんらかの対処をしよう。

例えば、ある研究によると、時間をとって、自分への語りかけを書き留めると、気分が晴れて、じぶんを思いやる気持ちが高まるという。

こういったことが自分への思いやりを高め、最終的にグリットを高めることに繋がるのだ。

成功は長時間労働から生まれるという夢のない現実

カルフォルニア大学サンタクルーズ校名誉教授のフランク・バロン氏はこう言った。
「目覚ましい貢献をした人びとにあって、膨大な生産力はむしろ標準的なことであり、例外的なことではない。」
早い話が、何事かを成すには、ばかみたいに夢中になって努力する必要があるということだ。

ハーバード・ビジネススクール教授のジョン・コッター氏が、様々な業種のトップ経営陣について調べたところ、週60時間以上の労働時間が珍しくないことがわかった。

また、スタンフォード大学ビジネススクール教授のジェフリー・フェファー氏が企業で成功する秘訣の一番にあげたものは何だったかというと、「活力とスタミナ」だった。

当然、才能があれば、成功する確率は上がる。
ただ、才能が同じなら、より多くの時間を費やす者が勝つのだ。

「閾値仮説」というものがある。
それは、IQが120を超えてしまえば、それ以上IQの数値が増えても業績への効果がほとんど無いことが調査で明らかになったのだ。

では、業績の違いを生み出しているものは何か。
それは、運ではない。
投入された時間数だ。

ただ時間をかけて繰り返すたけでは上達しない

ただ、やみくもに時間数をかけても意味がない。
成功するためには、絶えず向上しようという意識を持って取り組む必要がある。

教育学者ベンジャミン・ブルームが行なった調査によると、ある人の”野心”だけで”その後の成功”を予測できることがわかった。
意欲は、その人の仕事での成功を、知能や能力、給与よりも正確に予測するというのだ。

つまりは、ただ何時間も同じ業務をこなすのではなく、そこには、「習得しようという情熱」が無いとダメだということ。

逆に言うと、しっかりと情熱を持って時間をかければ、能力を超えた成果を出すことができるということだ。

結婚は成功の邪魔?

投入した時間と、野心が成功するためのカギだということは、結婚した人は、成功する可能性が減ってしまうのだろうか?

ロンドンスクール・オブ・エコノミクスの進化心理学者 金沢聡の論文「なぜ生産性は年齢とともに衰えるのか」では、男性の場合、結婚は、科学者、作家、ジャズミュージシャン、画家などの生産活動に著しいマイナス効果を及ぼすという結果が報告されている。

結婚することにより、生産活動に充てる時間が短くなることが直接的な原因だ。

では、結婚した人間は成功を諦めるべきなのだろうか?

仕事だけでは幸せになれない

心理学者のリチャード・ライアンは、「高い目標を達成した者の抑うつ症状と不安感の一つの理由は、自分が良い人間関係を築けていないということだ。彼らは富を成し、自分の目標に邁進するのに忙しかった。それはとりもなおさず、彼らの人生には、愛や気遣い、思いやり、共感など、本当に大切なものを慈しむ余地があまり残されていなかったことを意味する。」と言っている。

何か夢を成し遂げるためには、多くの時間を捧げる必要があるが、それだけでは人間は幸せにはなれないということだ。

やはり、仕事とプライベートの両立が大事だ。

結婚をして、愛情ある家族を築きながらも、仕事で成功を収める方法について模索するべきなのだろう。

では、次に、成功を収めるために、僕らが時間をかけること以外に注意しておくべきことをまとめていきたい。

遊び心が大事

ある科学者が254人の社会人学生の陽気さや遊び心を調べ、それと彼らの成績を見たところ、遊び心と良い成績は、相関関係にあることがわかったという。

陽気で冗談好きな学生は、とくに予習が求められていない教材まで読んでくることが多く、好奇心旺盛で何事にも意欲的だったのだ。

また別の調査では、子供達の休み時間の長さと学業成績の間にも相関関係があったようだ。
つまりは、よく遊ぶほど、よく学べるということだ。

リラックスが創造性のカギ

近年どの企業も創造性を必要としているが、職場で長時間残業をすれば新しい発想が浮かぶ訳ではない。
むしろ、その逆で、多くの研究で、ストレスや残業を減らし、リラックスしてこそ創造性が発揮されることが証明されている。

逆に、ハーバード大学のテレサ・アマビール氏は、研究の結果、過度な時間的プレッシャーの下では、創造的な解決策を思いつく可能性が45%減少することを発見した。

どうすれば創造性が高まるのか?

では、どうすれば創造性が高まるのか。
そのためには、心を自由に彷徨わせる必要がある。
例えば、空想にふけること。
人が空想にふけている時、実は難題を解いている時に活性化する脳の領域と同じ場所を使っているという。
空想にふけりやすい人ほど、問題解決に向いているという研究結果もある。

睡眠が大事という当たり前の科学

ある調査によると、睡眠は、意思決定や倫理、健康状態のみでなく、インターネットにどれくらい時間を無駄遣いするかなどといった自制心にも影響を及ぼす。

睡眠不足は、認知機能にまで影響を与える。
身体が疲れていると、脳はネガティブな側面に焦点を置くようになるのだ。

自制心を保ち、ポジティブにモチベーションを持ってものごとに取り組むためには、睡眠が重要なのだ。

朝は最も生産的な時間

ある調査では、人は起床から1時間後の2時間が1日の中で最も生産的だということがわかった。

以前紹介した脳のパフォーマンスを最大まで引き出す神・時間術という本にもあったが、夜遅くまで残業するのならば、朝早く会社に行く方がよっぽど効率が良い。
これは、実際に僕もやっていて実感するところだ。

昼寝が大事

NASAの研究により、昼寝が飛行士の活力を蘇らせることがわかった。
本書では、「研究結果は、フライト中に計画的に設けられた40分の仮眠が、長期任務における宇宙飛行士たちの仕事ぶりと生理的覚醒を顕著に改善することを証明した。」と言っている。

これも前回紹介した脳のパフォーマンスを最大まで引き出す神・時間術にあった内容と同じだ。

時間ではなくエネルギーに注目するべき

作家のアーサー・トニー・シュワルツは語る。
「時間ではなく、エネルギーこそが、優れたパフォーマンスを生み出す基本通貨である」
本当に管理すべきは時間ではなく、エネルギーなのだと。

量的な価値より質的な価値に焦点を合わせるレンズが必要となる。
なぜなら、全ての時間は、質的に同等ではないのだから。

人は楽なものを選ぶ

ものごとが起きてから反応する「受け身」でいることは、真に望んでいるものを手に入れるチャンスを逸するばかりでなく、私たちが真の幸福を得る機会まで減らす結果を招く。
私たちは往々にして楽なものを選んでしまい、自分を本当に幸せにしてくれるものを選ばないものなのだ。

心理学者のミハイ・チクセントミハイによると、10代の若者がテレビを見ている時、本当に楽しいと感じたのは視聴していた時間の13%だけ。趣味に興じていたときには34%、スポーツをしていたときには44%が本当に満足した時間だった。で、10代の若者が最も頻繁に選んでいるのはどれか?彼らは他の娯楽の約4倍もの時間をテレビ視聴に費やしていた。

計画することが大事

計画が無ければ、私たちは本当に満足感が得られるものではなく、受け身で楽なものを選択する。

心理学者のロバート・エプスティンが30ヶ国の3000人を対象に調査したところ、ストレスを減少させる最も効果的な方法は、計画を立てることだとわかった。
前もってどんな障害があるのかを予測し、克服法を考えておくと、状況をコントロールできていると感じる。
これこそがものごとを成し遂げるための秘訣だ。

成功し、幸せになりたかったら、計画を立てることは何よりも重要だ。

貴重な時間を何かと邪魔が入る1日の終わりに持ってきてはいけない。
大事な仕事には、フル回転する頭脳で取り組もう。
調査によれば、起床後の2時間半から4時間が、脳が最も活発に働く時間帯だ。
「黄金の時」を電話会議やスタッフミーティングで無駄にしないように。

幸福度研究に関する専門誌「ジャーナル・オブ・ハピネス・スタディーズ」誌に掲載された403人を対象にした調査によると、自由時間を管理することこそ、人生の質を向上させることが明らかになった。
興味深いのは、たんに自由時間を増やしても人びとの幸福度に何の影響もなかったが、その時間の過ごし方について事前に計画を立てると結果が大違いだったことだ。

タイム・ワーナー社の会長だったスティーブン・ジェイ・ロスは次のように端的に述べている。
人には3種類ある。
職場に行き、デスクに脚を上げ、あとは12時間夢を見る人。
毎朝5時に出勤し、16時間働き、一瞬たりとも夢を見ない人。
デスクに脚を上げ、1時間夢を描き、それから夢のために何かをしだす人。

生まれつきの才能を気にすることはない。

心理学者ベンジャミン・ブルームの成功者を対象にした調査によれば、彫刻家からオリンピック選手、数学者にいたるまで、人生で達成できるものを左右するのは大概才能以外のものだという。

要するに、才能が無いと嘆くことはナンセンスということだ。
なぜなら、成功することにとって、そこは重要なファクターではないのだから。

最後に

とりとめもなく、この本から得たことを書き連ねてみた。
これらを見て、この本の通り、残酷すぎると思っただろうか。
僕は、むしろその逆で、成功は才能で決まるのではなく、自分がこれから生活やマインドを見直すことで、近づくことができるのだと、勇気をもらえた気がする。

是非、皆さんも改めてこの本を読んでみてはいかがだろうか。