気になる日本株銘柄を分析し、その銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。
本日は、日本オラクル(4716)について分析していきます。
以下の順番で分析していきたいと思います。
是非最後までご覧下さい。
1.会社の説明
2.時価総額
3.株価、PER、配当利回り
4.チャート
-長期チャート
-短期チャート
5.売上高
6.一株配当
7.EPS(1株あたりの利益)→とくに大事
8.BPS(1株あたりの純資産)→とくに大事
9.ROE(自己資本利益率)→とくに大事
10.まとめ
1. 日本オラクル(4716)とは?
日本オラクル株式会社は、米国企業オラクルコーポレーション (Oracle Corporation) (1977年設立)が、1985年に日本で設立した法人です。
日本国内を拠点とした情報システム構築のためのクラウドサービス、ソフトウェア製品、ハードウェア製品、ソリューション、コンサルティング、サポートサービス、保守サービス、情報教育の事業を展開しています。
1999年2月5日に店頭市場へ株式公開、2000年4月28日に東京証券取引所1部上場。
主な競合にSAPジャパン、セールスフォースドットコム、日本マイクロソフト、アマゾンウェブサービスなどがあります。
そんな日本オラクル(4716)の現在の社員数は2,504人です。
2. 日本オラクル(4716)の時価総額は?
日本オラクル(4716)の時価総額は 1.53兆円です。(2024年時点)
時価総額ランクで言うと、AAランクです。
3. 日本オラクル(4716)の株価とPERと配当利回りは?
次に日本オラクル(4716)の株価とPER、配当利回りを見てみましょう。
株価:11,905円(2024年5月時点)
日本オラクル(4716)の株価は、11,905円です。
100株単位で売買できるので、約119万円から投資をすることができます。
高い!
いわゆる値がさ株というやつです。
1つの銘柄に110万円以上もの資金が必要というのは高いですね。
これだと株式投資初心者の方にはなかなか手が出せません。
PER:27.3倍(2024年5月時点)
次にPERです。
PERは、株価収益率ですね。
一般的に10倍以下であれば割安であると言われています。
日本オラクル(4716)の場合、PERは27.3倍です。
20倍を超えているので、割高です。
配当利回り:1.36%(2024年5月時点)
続いて、配当利回りです。
日本オラクル(4716)の場合、100株投資をしてもらえる配当は毎年16,200円です。
配当利回りを計算すると、1.36%。
あまり多くはないですね。
ただ、日本株の中では一般的な水準だと思います。
配当金の権利確定日は、毎年5月末日です。
なお、日本オラクル(4716)の場合、株主優待はありません。
4. 日本オラクル(4716)の株価チャート
次に株価チャートを分析していきましょう。
まずは長期チャートです。
こちらには、長期の月足チャートを示しました。
すごいチャートですね。
2000年のITバブルの時に上場来高値となる88,000円をつけ、その後ITバブルが弾けて一気に下落。
2011年には上場来安値2,310円をつけました。
その期間約10年間で株価が40分の1になってしまったわけですから、当時日本オラクルの株を保有していた方にとってはたまったものではないですね。
これを見ると株って怖いなぁと思っても仕方がないです。
その後はじわじわと上昇してきていて、2011年の上場来安値から見ると、この約10年間で株価は5倍以上になりました。
次に短期のチャートです。
こちらには、直近1年の日足チャートを示しました。
短期で見ると、右肩上がりとなっています。
5. 日本オラクル(4716)の売上高
では、売上高を見ていきましょう。
こちらには、直近の売上高を棒グラフで示しました。
良いですね。
比較的堅調です。
伸びは小さいですが、しっかりと毎年売上高を伸ばせています。
ちなみに、日本オラクル(4716)の決算月は5月です。
6. 日本オラクル(4716)の一株配当
続いて、配当の推移について見てみましょう。
こちらには、直近の配当金の推移を棒グラフで示しました。
なんだかすごいですね。
2021年度だけ突出しています。
日本オラクルは、定期的に特別配当というものを出していて、例えば、直近は2021年度に普通配当は154円だったのに対して特別配当として992円を出しています。
この年の合計配当額は1株当たり1,146円。
100株保有していたら、11万円以上もの配当がもらえることになります。
基本的に、配当性向40%を目安に毎年配当を実施しているようですが、この特別配当を出す年は配当性向が300%目前の高水準となっています。
過去には、2011年度、2016年度、2021年度という5年毎のペースでこの特別配当を実施しているので、次は2026年度当たりにまた特別配当が実施されるかもしれません。
投資家の中には、この特別配当狙いでオラクル株を保有している方もいるようです。
7. 日本オラクル(4716)のEPS(1株あたりの利益)
次に、EPSを見ていきましょう。
EPSとは1株あたりの利益のことです。
単年度でみるというより、過去数年にわたってチェックします。
過去数年でしっかり右肩上がりでEPSが上昇していれば、利益を伸ばしているということです。
そういった企業は、優秀な企業と評価できます。
一方、EPSが右肩下がりとなったり、デコボコしていたら要注意です。
長期投資としてそういった会社を検討するべきではありません。
では、見ていきましょう。
EPSも右肩上がりで伸ばせています。
良いですね。
8. 日本オラクル(4716)のBPS(1株あたりの純資産)
次は、BPSです。
BPSは、一株当たりの純資産のこと。
このBPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということを表します。
すなわち、安定性が高い会社であると判断されます。
一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということになり、安定性を欠く会社であると見られます。
また、BPSの値と株価を比較することで、その株が割高か割安か判断することもできます。
では、そんなBPSを見てみましょう。
BPSは2020年度までは堅調に推移していたのですが、2021年度に大きく下げてしまっています。
これは、2021年度に特別配当を実施したことが大きな要因と考えられます。
そもそも、日本オラクルの発行済株式数は128,274,071株なので、この年は約1,400億円を配当に支払ったことになります。
そもそも、日本オラクルの大株主は親会社である米オラクル・コーポレーションであり、全体の74%以上を保有しているわけですから、この定期的な特別配当は、親会社への利益の還元が主な目的だということが分かります。
日本オラクルの中で利益を再投資してどんどん会社を大きくしていくという訳ではないことをしっかりと認識しておいた方がよさそうです。
ちなみに、この期間の年平均成長率(CAGR)は、6.69%です。
つまり、年間6.69%ずつこの会社は成長しているということを表しています。
それでもやはり日本オラクルとしても成長しているというところはすごいですね。
9. 日本オラクル(4716)のROE(自己資本利益率)
最後にROEです。
ROEとは、自己資本利益率のことです。
「会社の自己資本をつかってどれだけの利益を出すことができるか?」ということを表す数字です。
ROEは、先程のEPSとBPSでも求めることができます。
ROE = EPS / BPS です。
一般的に10%を超えていれば合格ラインとします。
つまり10億円の元手(純資産)で1億円を稼ぎだせればROE10%なので合格です。
そして、10%を毎年しっかり超えているような企業が我々長期投資家が検討するに値する優良企業ということになります。
それでは日本オラクル(4716)のROE(自己資本利益率)を見てみましょう。
直近のROEは33.4%です。
すごいですね。
驚異的な高ROEです。
過去を見てもかなり高い水準の数字が並んでいます。
さすがですね。
10. 日本オラクル(4716)の今後をまとめると
良いですね。
かなりの優良企業です。
ただ、利益を親会社である米オラクル・コーポレーションに還元する構造を考慮すると、今後会社としてより大きく成長するかというとそうではないのかなと思ってしまいます。
すでに時価総額もかなり大きいですし、今後大きく資産を増やしたいと思っている方にとっては、投資先として向かないかもしれません。
とはいえ、5年に1回やってくる特別配当は非常に魅力的なので、これを目当てに保有するというのは面白いかもしれません。
気になる方は、IRなどチェックしてみて下さい。