実は、最近2人目の子供が産まれたから、保険を見直そうと、某保険会社に相談をしていた。
正直、うちの家計は、僕が1馬力で稼いでいるし、家も賃貸だから、僕に何かあった場合、一気に生活が立ちいかなくなってしまう。
そこで、僕に何かあった場合に、残された家族が今と変わらない生活を送れるような保険を準備しておこうと思い、保険会社に相談することにしたんだ。
謎の多いプランニングシート
僕が相談した某保険会社では、最初に、どういった保険が必要なのかを明確にするために、生涯でいつどれだけのお金が必要なのかをシミュレートしてくれる。
いわゆるライフプランニングだ。
これまでに、何度か家まで保険会社のライフプランナーさんが足を運んでくれて、いくつかのヒアリングをしてくれた。
そして、先日ついに、我が家のライフプランニングシートを持ってきてくれたんだ。
ただ、そこには疑問を感じるところがいくつかあった。
複利の効果を無視している
1つめは、複利の効果を無視した見積もりとなっていることだ。
僕は、毎月一定額を、日経平均やダウ平均といった、インデックス連動型投資信託と、個別株に入れている。
当然このことは、プランナーさんにヒアリングで資産状況を言った時に伝えている。
ただ、これらの見積もり前提を確認すると、利回りはなんと0%で計算してると言うんだ。
こちらのサイトによると、例えば国内株式TOPIXにこの20年間積立投資した場合の平均利回りは1.43%。
S&P500は、なんと3.84%だ。
つまり、これらの指標に連動する投資信託を毎月買っていれば、平均で毎年1.4〜3.8%ずつ資産が増えるということになる。
たった3.8%かとあなどるなかれ、もし仮に20年間この利回りを維持したとすると、20年後には、資産は倍以上に増える計算となる。
これが複利の効果だ。
僕がお金を銀行に預けるのではなく、定額投資する理由はここにある。
なのに、なぜか、ライフプランニングシート上では、その効果がまるで無いかのように扱われてしまっていた。
配当金を無視している
2つめは、株の配当金を無視した見積もりとなっていることだ。
我が家のライフプランニングの結果、僕が60歳までに5000万円以上の金融資産を築けることになっていた。
ただ、60歳以降は、収入が年金のみとなるため、それまでに築いてきた資産を切り崩しながら生活をすることになると言うんだ。
この前提も、なぜか株式などの金融資産は、60歳になると一度現金化して銀行預金となる前提で計算されていた。
けど、もし仮に5000万円の資金が手元にあれば、株式投資をして、その配当で年間200万円を稼ぐことも可能だ。
ちなみに、これは、5000万円全てを配当利回り4%以上の個別株につっこんだ場合を想定している。
当然、個別株の場合、そもそも資産価値が下がることや、減配となるリスクもあるわけだが、KDDIやオリックスといった毎年安定的に高額配当金を分配している優良企業も存在する。
だから、5000万円を全て配当利回り4%以上の株式に投資し、毎年200万円以上のキャッシュを得ることは十分可能だ。
年間200万円だと、月々にすると約9万5千円だ。
年金に加えて、これだけの配当が月々にもらえるとすると、なかなかいい暮らしができるのではないだろうか。
プランナーさんが作ってくれたプランニングシートのように、60歳以降にすごい勢いでその資産を切り崩していかなければならないようには思えない。
当然、このプランナーさんは、ファイナンシャルプランナーなどの資格を持っているわけだから、複利の効果も、配当金のことだって、知っているはずだ。
そう考えると、この見積もりは、やっぱり保険を売るために”あえて”やっていることとしか思えない。
6千万円をドブに捨てる人
僕の友達には、「保険の窓口」に相談しに行って、言われるがまま保険に加入し、月々に保険だけで9万円近くを払っている人がいる。
例えば9万円も月々にS&P500連動型の投信にお金を入れていたら、30年後にはどれだけの資産が築けているだろうか。
なんと6千万円以上だ。
それが、もし仮に何事もなく健康にその30年間を過ごせた場合、資産はその半分にも満たないだろう。(中には、元本保証型の保険もあるので多少は資産形成に役立つ。)
まあ、これは少し極端な例ではあるものの、今回保険会社に相談したことで、やっぱり金融リテラシーはとても大事だなと思わされた。
ちなみに、金融庁のサイトで、簡単に資産運用のシミュレーションができる。
ぜひ参考にしてもらいたい。
リテラシーの無い人はカモになる
お金に関する知識・経験は、人生で最も大事だといっても過言ではないのではないだろうか。
お金に関することは、考えは人それぞれだとは思うが、少なくても、一定レベル以上の知識は保有した上で、自分なりの考え方を持つことが大事だろう。
そうでないと、一見いい人そうに見えるプランナーさんに、簡単に騙されてしまう可能性があるから。